第4話

 一旦立ち止まって考えてほしいのです。僕だって健康になりたいといつも思っています。普通になりたいと思っているのです。周りは僕が毎日しなければならないことを知らないし、外見だけで僕を判断する権利なんてないことを知ってほしいのです。だって、僕の中で何が起きているのか知らないのだから。



 2016年4月1日。

 市販の禁煙補助剤で禁煙開始。

 失敗して、母に預けてある年金の1000円を引き出そうとすると、

「もう無理だよ」

 父がぶっきらぼうに言った。

「タバコ10箱くらい買って吸ったら」

 父がそっけなく言った。


 2016年4月3日

 市販の禁煙補助剤で二度目の禁煙開始。

 禁煙には3回か4回の失敗があって、何度かチャレンジするのが普通なのだと言うことは、父と母に言いました。

 禁煙一日を実行。

 二日目に我慢できずに一箱吸いました。

 その日。キッチンで母が買った食材などを冷蔵庫へ入れようとしていたら、

「ガムを二種類買ったから」

 母が言った。禁煙の助けになるので有難かったのですが。

「二種類ってなんだ!」

 父が絡むように怒鳴った。

「ガムよ……」

「ガムなんか買って来るなよ!! タバコ吸っているだろう!!」

 父は声を荒げた。

 私は母の買った食材の残りを冷蔵庫に入れようとすると、

「もういいよ」

 父はそっぽを向いた。


2016年4月13日


「バカ! バカ! おめえ、病気だか何だか知んねえが、このままだと食えなくなっぞ!」

 父がキッチンで怒鳴った。

「おめえが、解るか解らねえか、知らねえが……。今の仕事。おっ母キツクて体壊しそうなんだってよ。だから、俺仕事辞めろって言ったんだ。俺が働ければいいんだが。解るか?おめえ、今まで普通に食っているが、このままだと食えなくなっぞ!!」

 父は私の心の病のことを、一切理解できていないのです。

 それどころか、私の頭が本格的にイカれていると思っているのです。

「おめえ、何で食っていくんだ。この先」

「小説……」

「おめえの小説なんて、みんなぶん投げているんだぞ! おめえ乞食になれ!」


 4月15日

 父はより一層、おどろおどろしく変わったりました。

 年金の大半を家に支払えと言いだしました。

 母は何も知らずに、首を傾げていたました。何故なら後で貯金で250万の新車を買っていたのです。

父の強い要望が通ってしまいました。

「18万4千円も貰っているのか!?」

 父が驚いた。

「うん」

 私は子供っぽく頷き、年金の大半を家に支払うことになった。

「タバコを止めるよ」

 私が言うと、

「俺みてえに死にそうにならないと、止めれないよな」

 父が急に優しくなった。

「私、おかしくなるわ。また、1000円貸して、1000円貸してっていうんでしょ。どうせタバコやめられないから」

 母は私がいつも年金をもらう前に、所持金が足りないと幾らか借りていたので、ですが、母には年金から毎回4万程渡していました。

「別の病気になりそう……」

「カウンセリング受けたら? 5000円で受けられるところあるよ」

 私は母に普通の声音で言いました。

 こんな状況や心理状態では、禁煙は無理そうだと私は判断していました。

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