いや、ないけど

きこおみものお

第1話


もんもんもんもんもん




喫茶店とかそこらへん


自分のことについて考えるのは割と好きな方。文系とか理系とかそんなんじゃなくて(マカえん)

頭で何か壮大なことを考えてる人みたいな、そういうのに憧れててさ〜。分析。みたいな、?

あとなんか、行間を読むとか好きだわ。関係ねーけど。

そんでさ、ふと考えてみたわけよ。自分は愛されるに値する人間かって。答えは沈黙。


いや、これ結構真面目よ?俺がこれまでどんだけ屑であろうとさ、これから聖人君子みたいになったら多分、百人中三人くらいは俺のことを愛してくれるんだよ。いや、確かに俺の頭の中での話だけどさ。まあ、愛してくれるは言い過ぎか、好きにはなってくれると思うわけ。

でもさ、それは俺が屑から、すんごい頑張って人に好かれようとして喫煙所近くのゴミとか拾ってとかしてさ、ニコニコ何でも「いいよ〜」とか言ってさ、時には間違ったことをしてる人を正したりとかして、ようやっと愛されんだよ。

それって、本当に俺?って思うわけ。まあ、いいや。なんか虚しくなってきたわ。




居酒屋みたいなところ


あのさ〜、おれさ〜おもうわけよ。全てを愛したいって。いやこれね、本気で。本気で思ってんの。全てを愛したいのよ、ほんで、全てに愛されたい。そうなったらさ、絶対良いじゃん、悪いことなんてないよ、きっと。わかんないけどさ。

でも〜さ、ね?そうなることをおれはさ、おれ自身はさ、許さないわけ。なにものからも愛されようと必死になってるじぶんはさ、それ〜恥ずかしいだろ、いやだよ。俺。そんで、そんな俺のことを誰も愛さねーよな〜。




愛とか、情でも、なんか一つでも、いや、絞り汁でも。

なんかもらってたらこうはきっとならなかったよなぁ。これは世迷言?いやいや、今俺は全世界で中継されてんだよ。みてんじゃねぇよ。今すぐにテレビを消しなさい。子供は見るなよ〜。寝る時間だぞー。でも、大人は見とけよな。いや、お前らのせいとかいうつもりはないけどさ、まあ、こうさせたのは誰かって考えてみてくれよ。ちょっとでいいからさ。気付けることを祈ってるわ。じゃあな。………

……はあ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いや、ないけど きこおみものお @kikoomi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る