第27話 大金

 5日後。


 「アレスさん。ボラン様から伝言を扱っております。「戻りましたので、先日のお礼をさせて欲しい」とのことです。ボラン様の商店の方に案内するようにも仰せつかっております。この後、ご案内したいと思いますが、ご予定の都合は?」


 「分かりました。アメリさん、案内をお願いします」


 「はい、承知しました」


 アメリさんと一緒に冒険者ギルドを後にし、商店に向かった。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 冒険者ギルドに匹敵する建物に案内される。


 「アレスさん、ここがボラン様の商店になります。ここからはお一人で大丈夫ですか?」


 「はい、大丈夫です。ありがとうございました」


 俺は扉を開けて中に入っていく。受付に行き、ボランさんに取り次いでもらう。


 「すいません。僕はアレスと申します。ボランさんに取り次いでもらいますか?」


 「君…本当にボラン様と面識はあるのですか?」


 「先日、街道上で盗賊から守りました。そう伝えてもらえれば分かるはずです」


 「…分かりました。少々、お待ちください」


 受付の女性が2階に向かう。店内の商品を見て回る。食器や布団類、生活用魔道具が陳列されている。


 「アレス様」


 呼びかけられたので、振り向くと、ボランさんが笑顔で揉み手をしながら、奥様と一緒に出迎えてくれた。


 「ボランさん、マリロナさん、お久しぶりです」


 「アレス様もご健勝そうで何よりです。先日のお礼をさせて頂きます。応接室に行きましょう」


 応接室に場所を移して、受付の女性が淹れてくれた茶で喉を潤す。


 「まずはお礼をさせてもらいます。これを納めください」


 なんと、ボランさんから10,000,000エルケー(日本円で1億円)を頂いた。


 「これは…頂きすぎだと思いますが?」


 「何をおっしゃいますか!あのままでは、私達3人共殺されていたでしょう。それを助けて頂き、こうして妻とこの先も一緒にいられ、商売を続けられることを考えれば、妥当だと思います。是非、受け取ってください」


 「本当にありがとうございました」


 「ありがとうございます。大切に使わせて頂きます」


 「話は変わりますが、アレス様はこの街を拠点に冒険者活動をされておられるのですか?」


 「いえ、特には。近々、違う街に行きたいなと考えております」


 「そうですか。ちなみに、行き先は決まっておりますか?」


 「この前、護衛依頼で[バンテン王国]のマイソールという街があることを知りまして、そこがどんな街か気になっているくらいですかね」


 「おお!それは丁度良いですね!私達もその街で取引がありまして、明日出発する予定なのです。なので、是非とも道中の護衛をお願いできないでしょうか?」


 「分かりました。お受けします」


 「ありがとうございます。アレス様のように強い冒険者の方に守って頂けるなら、とても安心できます」


 「そうですね。アレス様よろしくお願いいたします」


 「はい、全力でお守りします」


 その後、明日の予定の詳細を伺い、商店を後にした。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 「グギャ…」


 「ギャ!ギャ…」


 「グ、グギャ…」


 露店で昼食を摂った後、森に入り、薬草採取や魔物を狩った。5日間、森でオークを見かけることはなかった。他の冒険者がオークと遭遇したという話も聞かなかったので、一安心だ。


 狩猟採取を終え、冒険者ギルドに戻ると、アイク達がいた。


 「よ!アレス!久しぶりだな!」


 「久しぶりだね!元気そうで何よりだよ」


 「アレスの装備、前と違わない?」


 「実はオーク・キングとの戦闘で装備が損壊してね。それを機に、装備一式を新調したんだ」


 「革鎧みたいだけど、何の魔物の皮でできてんだ?」


 「ワイバーンだよ」


 「「「「ワ、ワイバーン!」」」」


 「ち、ちょっと、声が大きいよ!」


 「し、しかし、ワイバーンは竜種の亜種であり、Aランクの魔物ですよ。その竜皮でできた革鎧はとても高かったのではありませんか?」


 「驚かないで聞いて欲しいんだけど、装備一式で1,000,000エルケー(日本円で1千万)したよ」


 「…あ、アレスって、めっちゃ大金持ちだな」


 「そんな大金…羨ましい」


 「あはは…ところでさ、この後、一緒に夕食を食べない?ご馳走するよ」


 「良いのか!?」


 「うん。実は明日、護衛依頼でこの街を離れるんだ。次、いつこの街に戻ってくるか分からないからさ」


 「そうなのか。パーティーに誘うと考えていたんだけど、残念だな…」


 「アレスがいれば、百人力だしな!」


 「そうよね!アレスがいれば、私達はもっと高みを目指せるもの!」


 「アイク、デニス、レイカ、アレスに頼る前に自分達で頑張らないといけませんよ!」


 「ま、そうだな。見てろよ、アレス!俺もすぐに追いついてやるからな!」


 「ははは!強くなるのは良いことだけど、何よりも命が大事だからね。無理はしないでね」


 「分かってるさ!」


 「じゃあ、僕の宿屋に行こう。とても美味しいから!」


 その後、育ち盛りの俺達は宿屋で大量の夕食を食べた。


【あとがき】

 第2章が完結しました。

 本格的に冒険者活動をし始め、盗賊討伐や緊急依頼を熟し、着実に成長を重ねました。

 次の街では、どんな活動をするのか楽しみにしていてください。

 明日は現在の主人公のステータスを書くつもりです。

 楽しみに待っていてください(≧∇≦)

 



 




 


 


 


 

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