第3話~新たな旅立ちへ~

目の前が暗かったのに急に明るくなった~。

すーはー、息が全く苦しくな~い!

歩ける~、走れる。

やったやった。ママちゃんとデートに行けるよ。

ママちゃん、マ~マちゃん~?

どこにいるの?

出て来てよ。

「無理だよ」

声だけが聞こえるけど、あんた誰?

「わが(私か)、わわ(私は)なの(あなたの)

将来ば決めるケヤグ(仲間)だ-。」

訛りキツすぎ-。標準語で話して。

「ン、ン、ン、ア、ア、ア、お前はこれから亡くなった物達と安寧に過ごすことになるがよいかの?」

ママちゃんも一緒?

「それは無理だな。この世界は生者とは過ごせない。ママちゃんは生きているんだろ。無理・無理。」

なんとかならないの?お願い。お願いします。

「ん~。現世に戻すことは出来るけど、魂を生まれる前の生き物に入れるだけじゃが!けれど、お前の記憶は無くなるし、ママちゃんと会える可能性は殆どないね。」

ゼロではないよね。何とかしてお願い。

「犬に生まれ変わるとは言いきれないが、それでもよいか?」

信じれば会える。何でもいいからお願いします。

「横浜市内で戻すように、生まれる生き物があったら教えるので、それまで待ってなさい。」

ありがとう。ありがとう。おっさん!

「ン・ン・ン・なんと言った?」

ありがとう、おじ様!

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