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  • 最良の日への応援コメント

    独特の余韻というか読後感の残る作品でした。人生の終わりに近い老年(男性)の小説家を語り手とする設定もさることながら、昭和期の文学作品のような文体には――おそらく時代設定は(ほぼ?)現代であるにもかかわらず――不思議な懐かしさがあります。

    古川の手紙の文面からすると「最良の日」という(松峰一雄の)小説は、私小説的な作風かと思われます。

    再び咲いた庭の白い梅は、亡き妻からのメッセージでもあり、その妻によく似た曜子の新しい生活を暗示するもののようにもとれます(「美奈江、ようこはつくづく」の後に述べられるのは、その感慨なのでしょう)。

    まもなく書き終える小説と確実に終わりに近づく自分の命。その新たな門出に花を添えるような曜子たちの報告。それが晴れやかな報告となるよう、機転を利かせた古川(そしてそのことにすぐ気づいた曜子)。

    すべてがこの「特別な日」に収束していく語りは、分量の短さにそぐわない、深みを感じさせるものでした。素敵な作品をありがとうございました。

    作者からの返信

    maruさん、こんな丁寧な感想をいただけてとてもうれしいです。
    実は、この作品はまず、近代文学風の文体で書こう、というところから始まったものでした。
    そのことを感じとっていただけたようで、光栄です。

    しかも、この作品にかけていた”しかけ”を見抜いていただいたご様子で、こちらも光栄の至りです。

    文体や”しかけ”もそうですが、何らかの気持ちを抱いていただいて──そしてそれは読者さまの自由に──と思いながら書いたものです。

    ですから、本当にうれしいです。
    ありがとうございました!

    編集済