【雨宿り】
時は、春まだ遠いある日の肌寒い朝だった。
私は
私は、妻子をすてた…
仕事もすてた…
私は、四国遍路の旅をするために人生のすべてをすてた…
ここから先は、私ひとりである。
列車が高松駅に到着した。
私は、
朝食を摂った後、私は
列車は、50分後に列車は
左の腰には
右手に杖を持っている。
おへんろ姿の私は、
雲のすき間から、青空が見えていた。
私は、これから四国霊場八十八札所めぐりの旅に出発する。
ボロボロに傷ついた人生をいやす旅が始まった。
私は、
私は、何も言わずに最初の札所に向かった。
最初の札所・
私は、静かに手を合わせてお祈りした。
お祈りを済ませたあと、
その後、私は徒歩で次のお寺さんへ向かった。
おへんろ開始から3日目の朝が来た。
私は、十二番札所・
お寺さんに続くへんろ道は、山道であった。
へんろ道に、雪が積もっていた。
それから20分後に十二番札所・
私は…
何も言わずに…
お祈りをした。
私は、十三の番札所へ向かって歩いた。
山道を降りたあと、再び国道192号線に出た。
そこから十三番札所に向かっていた時であった。
(ザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー…)
突然、雨が降りだした。
私は、大急ぎで雨宿りする場所を探した。
ところ変わって、JR鴨島駅前の通りにある商店街にて…
私は、たばこ屋さんの軒下で雨宿りをしていた
雨は、ザーザーと降っていたのでありました。
これは…
やみそうもないなぁ…
そんな時であった。
たばこ屋のおばあちゃんが、私に声をかけた。
「お兄さん…あんた、そんなところへいたら風邪をひくから…中へ入りや。」
私は、たばこ屋の中に入った。
中に入った私は、お接待を受けた。
おばあちゃんは、私に温かい緑茶を差し出した。
たばこ屋のおばあちゃんは、私にこう言うた。
「あんたは、東京の人?」
「はい。」
「雨はやみそうもないから…しばらくここで温まっていきや。」
「ありがとうございます。」
部屋の真ん中に置かれているダルマストーブが赤々と灯っていた。
ダルマストーブの上に置かれているアルミ制のやかんから白い湯気がたくさん出ていた。
おばあちゃんは、私にこう言うた。
「あんたは、歳はなんぼ(いくつ)や?」
「はっ…40です。」
「ほな…今が働き盛りやね…お仕事は?」
「弁護士さんだったけど…やめました。」
おばちゃんは、おどろいた声で言うた。
「弁護士さん…まあ、なんでそんないいお仕事をやめたのよ…」
私は、こう答えた。
「人を…弁護してゆく自信がなくなったのです…特に…凶悪事件を起こした
おばあちゃんは、私にこう言うた。
「それでおへんろ旅に出たのね…それで、旅が終わったらあんたはどうするのよ?」
「旅が終わってから…考えます。」
私は、そう言うた後お茶をのんだ。
そして、40分後であった。
私は、お接待のお札をおばあちゃんに渡した後、再び旅に出ようとした。
この時、おばちゃんがわたしを呼び止めた。
「お兄さん…ちょっと待って。」
おばあちゃんは、私に塩むすび(おにぎり)が入っているおべんとうを手渡しながら言うた。
「これ持って行きなさい…気ぃつけてや。」
塩むすびが入っているお弁当を受け取った私は、再び旅に出た。
やがて、十七番札所・
私は、静かに手を合わせてお祈りをした。
お祈りを終えた後、私は
その井戸には、
井戸の
なので私は、井戸の中を見た。
井戸の
人生に疲れたと悲しみの表情が映った。
旅に出て…
今日で何日目になるかな…
私は、そう思いながら歩き続けた。
そして私は、二十三の札所・
参拝を終えた終えたあと、
私は、高知方面に向かって歩いた。
その途中、私は足を休めるために日和佐海岸に行った。
(ザザーン、ザザーン、ザザーン…)
ところ変わって、日和佐海岸の
ぼんやりとした表情で海を見つめている私は、さびしげな表情でつぶやいた。
私は…
どうして、弁護士になったのだ…
私は、本当は弁護士になりたくなかった…
だけど、妻の父親(義父)から『恩返しができていない!!』と言われたのでいやいや弁護士になった…
妻との結婚は、義父が『弁護士事務所を継いで欲しい。』と言うたので仕方なく結婚した。
長男は、妻の元カレ(ストーカーだった)の子だった…
なんで私は、子持ちの妻と結婚したのか?
私たち家族は、桶川(埼玉県)にある団地で暮らしていた。
私が国選の弁護人を引き受けたのはこの時からであった。
この時、長男は6つだった。
凶悪事件の
この時から長男がきついいじめにあった…
育児は、妻にまかせていた…
仕事上の関係で、長男と接する機会がなかった。
裁判に勝とうが負けようが、憎まれることに変わりはない…
すごくつらい仕事だ…
義父の知り合いに日弁連の弁護士さんがいて、その知り合いの知り合いに元法務大臣がいた。
私は、その人のコネで国選の弁護人になった。
そこから、泥沼の日々が始まった。
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