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手袋を握手せしまま脱ぎ捨てる


虎杖を適当に刈り茎残る


Ωオームの意味終生知らず尺取虫


逃水に飛び込んでゆく厨二病


蠅は季語だっけと思いつつ叩く


梅雨入穴ついりあな残土のココア粒残る


卯の花腐し悔ある時は飴を噛む


捩花を咲く前と知りつつも刈り


夏日の本無垢もて余す帯の下


たぶん獣の肉に噛み付く夏の夕


花柘榴前世は娼婦だと言えず


牛乳の残り香紛れなきコップ


麦嵐クリスティーナの目で眺む


ありったけの名刺で隠す夏のゲロ


あかぎれに毛糸一本癒着せり

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