4

死魚蒸れて春の義眼は充血す


ちるさくら付着している難破船


海流の裾を取り巻く散る桜


葉桜の散り尽くす時亡命す


赤信号二秒後に青長し二秒


ひとひらを袂に綴じる花吹雪


かなしいか胸突き抜ける花吹雪


壁紙の破れて壁の見えており


玄関の葱束として不貞ふてて寝る


都忘れ最初から失意を選ぶ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る