2

高鳴れば粉々に散る山桜


花散る雨みな磔になる路上


フロントの白髪は染めず夕桜


闇空のこの棺より蝶昇る


茫々と神話はけぶる花の雨


何らかの扉を隠す春の雲


まだ見えない享年持って散る群衆


影を与えられし葉桜午後三時


地球へと蝶は落ちゆくリラの花


その座蒲団凹ませた奴いま死んだ


虫籠の片隅にある大気圏

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る