180
下東 良雄
180: Side Roman
オレは
ある峠ではちょっと名の知れた走り屋だ。
相棒であるミッドナイトパープルの
でも、それも終わりだ。
オレに家族が出来たからだ。
車は売却することになる。
手塩にかけてチューニング(性能向上のために車を改造すること)してきたオレの
そんなオレの腕と相棒を持ってしても撃墜できなかった長野ナンバーの黒いランタボ(三菱ランサーターボ)。ランエボじゃない。ランタボだ。オレの
そんな時だった――
「子どもができたの」
――彼女からの一言。それはオレの走り屋人生が、そしてオレの青春が終わりを告げた瞬間だった。
オレは潔く走りをやめることを決断。車を売却することにした。
散々走り込んで、改造され続けてきた
「それでは、車をお預かりいたします」
買取業者が運転席に座り、キーを回す。
住宅地に野太く轟くエキゾ
ゆっくりと走り出す
オレは遠ざかっていく
ありがとう、
またいつか。
さぁ、オレの新しい人生の幕開けだ!
彼女と子どもを大切にしなきゃな。
後ろを振り向いているヒマなんてない。
父親として頑張るぞ!
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