第224話 戦の前の地震
ゴルとルイ、セバスの3人は、冥王が居た執務室を出た後、城の外に来ていた
「おぉ~、なんじゃ、もう準備は終わっておったんじゃな」
ゴル達3人の前には、装備を整えた騎士達と兵士達が、整列しており、ゴルは嬉しそうに騎士達と兵士達を見ていた
「私がお二人を呼びに行っている間に、陛下が準備を終わらせたのでしょう」
「うむ…ならば、すぅ~…ハーデスに仕える戦士達よ!よくぞ集まった!既に聞いていると思うが!我らは襲われているエルフ達を助ける為!エルフ達を襲う愚か者を討伐に行く!良いか!敵はエルフを襲い攫う外道だ!手加減などしなくて良い!ハーデスと共に生きるエルフを守る為!各自持っている力の全てを使い!外道な敵を殲滅せよ!!」
セバスの言葉を聞いたゴルは、騎士達と兵士達の前まで行き、全身から覇気を出しながら、力強く騎士達と兵士達を鼓舞した
「「「「「「「「うぉおおおおおお!!!」」」」」」」」
ゴルの鼓舞を聞いた騎士達と兵士達は、武器を上に向かって持ち上げ、大声で叫んだ
「うむ…よし!行くぞ!!」
騎士達と兵士達の叫びを聞いたゴルは、満足そうに騎士達と兵士達を見た後、用意された自身の愛馬に乗り、エルフの里に向かって出発した
「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」
騎士達と兵士達は、ゴルに続き出発した
「はぁ~、ルイ様、行きますよ」
セバスは、出発したゴル達を見て、呆れた表情で溜め息を吐いた後、横にいるルイに声を掛け、自身の馬に乗った
「う、うん」
セバスに声を掛けられたルイは、少し緊張した様子で自身の馬に乗った
「…ルイ様、今から緊張していは、この後の動きに付いていけませんよ」
セバスは、緊張しているルイを見て、真剣な表情で注意した
「えっ、それって…っ!」
セバスの注意を聞いたルイは、セバスの言葉の意味が理解出来ず、セバスにどういう意味か聞こうとしたが、その瞬間、大地が激しく揺れ、ルイは慌てて綱を掴み、馬から落ちない様にバランスを取った
「これがゴル様の魔法、【地震】です」
ルイが慌ててバランスを取っている間、セバスは、慣れた様子でバランスを取り、大地が揺れた原因をルイに教えた
「これが!曽お祖父様の【地震】!」
セバスの話を聞いたルイは、バランスを取りながら、感動した様子で揺れる地面を見た
「…昔からあの方は、戦に行く時に、民を安心させる為に、絶対【地震】を使うのです」
「セバスさん、どうして曽お祖父様の【地震】で、民が安心するの?」
セバスの話を聞いたルイは、セバスの話に疑問を感じ、セバスに理由を聞いた
「…ゴル様曰く、台風、洪水、土砂崩れ、雪崩、数多くの天災が民を苦しめるが、儂が使う【地震】だけは、民を守る為だけに使われる、故に儂が戦の前に【地震】を使う理由は、天災を操る儂が、敵に負ける理由がないと、民に信じさせる為じゃ!!と前に本人が言ってました」
ルイに理由を聞かれたセバスは、セバスが昔、ゴル自身から聞いた言葉を、そのままルイに伝えた
「ふふ、なんか、曽お祖父様らいね」
セバスの話を聞いたルイは、笑顔を浮かべ、ゴルが居る方を見た
「ええ、ゴル様らしいですね…さて、ルイ様、そろそろ私達も…」
「うん、行こう」
セバスとルイは、馬を操り、ゴルと合流する為に動き出した
ゴルと合流したセバスとルイは、ゴルと共に、民達に見送られながら、王都を出発した
「おい!被害報告急げ!怪我人はグロリアとグリモアの所に運べ!家屋の倒壊は国から見舞金と弁償代を出せ!後!王城の宝物庫と図書館!無事か確認を急げ!」
「「「「「はっ!」」」」」
ゴル達が王都を出発した後、王城の執務室では、ゴルが使った【地震】によって起きた被害を確認する為に、冥王が文官に指示を出し、文官達は急いで被害確認に向った
「…はぁ~、お祖父様が戦に行く度に、どれだけ被害が出てると思っているんだ、本当こっちの事も考えて欲しいものだ」
文官達が被害確認に向った後、冥王は疲れた様子で椅子に座り、【地震】を使ったゴルの文句を言いながら、復興支援書にサインしていた
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