第215話 避難しているエルフ達
~セバス~
「…ようやく見つけました」
冥王と林王が戦っている頃、森の中の木の上を移動しているセバスは、避難しているエルフ達を目視できる所まで来ていた
「さて、どう合流しましょうか…」
エルフ達を見つけたセバスは、移動するのを止め、エルフ達と合流する方法を考え始めた
「…っ!何者だ!」
セバスが合流する方法を考えいると、エルフ達と一緒に避難していたリントが、自分達を見るセバスの視線に気付き、セバスがいる場所を見ながら、何時でも戦えるよう、拳を構えた
「おや、気付かれましたか…では!」
リントに気付かれたセバスは、少し驚いた表情を浮かべた後、【魔装】と【魔足】を使い、避難しているエルフ達の前に向かって、木の上からジャンプした
「っと…初めまして、私は…おや?リント殿ではないですか!お久しぶりですね!」
木の上からジャンプしたセバスは、エルフ達の前に着地し、自己紹介をしようとしたが、拳を構えているリントを見つけ、懐かしそうに声を掛けた
「っ!何でアンタがここに居るだ!?」
セバスに声を掛けられたリントは、セバスの顔を見て、驚いた表情でここに居る理由を聞いた
「冥王様のお供ですよ」
リントにここに居る理由を聞かれたセバスは、リントに近付きながら答えた
「なっ!!なら!今林王様と戦っているのは冥王様か!?」
セバスの答えを聞いたリントは、驚きの表情を浮かべ、冥王と林王が戦っている方向を見た
「ええ、そうですよ」
セバスは、驚いた表情をしているリントを見ながら、冥王と林王が戦っている事を認めた
「最悪だ…」
セバスの言葉を聞いたリントは、絶望した表情を浮かべ、膝から崩れ落ちた
「おやおや、魔王様の腹心ともあろう方が、そんな姿を人に見せては、情けないだけですよ?」
リントが、膝から崩れ落ちたのを見ていたセバスは、リントの肩を優しく叩きながら、煽る様に話しかけた
「っ~!このっ「お止め下さい!」」
セバスに煽られたリントは、セバスの態度に怒りを覚え、殴り掛かろうと拳を振り上げた瞬間、今までセバスとリントの話を、黙って聞いていたハンスが、セバスを殴ろうとしていた、リントが振り上げた拳を掴み止めた
「おい…何で止めた?」
拳を止められたリントは、止めたハンスを、怒りの籠った目で睨み付けながら、止めた理由を聞いた
「…リント殿、あの者たち顔を見て下さい」
リントに睨み付けられたハンスは、真剣な表情でリントを見ながら、避難しているエルフ達を指差した
「あ?…っ」
ハンスに言われ、リントが不機嫌そうに、避難しているエルフ達の方を見ると、避難しているエルフ達は、恐怖と不安が入り混じった表情でリントとセバスを見ていた
避難しているエルフ達の表情を見たリントは、心苦しそうな表情を浮かべた
「…くだらない」
心苦しそうにしているリントを横目に、セバスは、心底軽蔑した目で、避難しているエルフ達を見た
「なんだと…もう一度言ってみろ!!」
セバスの言葉を聞いたハンスは、素早く腰に挿してある剣を抜き、セバスの喉元に突き付けながら、怒気を含んだ声でもう一度言ってみろとセバスに伝えた
「くだらないと言ったのです…貴方は、今回の出来事が起きた理由を、ご存じないのですか?」
喉元に剣を突き付けられたセバスは、指に魔力を纏わせ、素早く剣先を指で掴みながら、冥王と林王が戦う事になった理由を聞いた
「(っ、早い!)それは…」
冥王と林王が戦う事になった原因を聞かれたハンスは、セバスの素早い動きに驚きながら、避難しているエルフの方をチラ見した
「おや、あの中に居るのですね」
ハンスの反応を見たセバスは、掴んでいる剣を離し、避難しているエルフ達の方を見た
「っ」
セバスの言葉を聞いたハンスは、自身の失敗に気付き、悔しそうに顔を歪めた
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