第197話 リントが森に来た理由



「う~ん…ここは…」


セイとルーファが、気絶しているリントが起きるのを、10分程待っていると、気絶していたリントが起き上がり、周りを見渡した


「やっと起きたか」


セイは、起き上がったリントを、上から、呆れた表情で見ていた


「えっと…確か俺は…あっ!この!…あれ?」


リントは、頭を押さえながら、気絶する前の事を思い出そうし、思い出した後、立ち上がり、セイに向かって殴り掛かったが、身体に力が入らず、そのまま倒れてしまった


「馬鹿だなぁ~…気絶していた奴が、置きて直ぐに激しく動けるわけ無いだろ」


セイは、倒れたリントの横にしゃがみ込み、倒れているリントを、近くにあった枝で続きながら馬鹿にした


「くっ!」


セイに馬鹿にされたリントは、悔しそうな表情でセイを睨んだ


「おっ?なんだその目つき、お前が弱いせいで、ルーファがどれだけ心配したと思ってるんだ」


リントに睨みつけられたセイは、チラッとルーファを見ながら、ルーファが心配していた事を伝えた


「そうなのか?…ルーファだったな、心配してくれてありがとう」


セイに、ルーファが心配していたと伝えられたリントは、セイの後に居るルーファを見て、真剣な表情で感謝を伝えた


「あの…その…「いや、ルーファが心配していたのは、お前じゃなくて、魔王が怒らないかだぞ?」…セイ様!?」


リントの心配ではなく、魔王との争いにならないか心配していたルーファは、リントに感謝を言われ、どう反応すればいいか分からず、言葉を詰まらせていると、セイが真実をリントに話した


セイに、真実を話されたルーファは、セイを驚いた表情で見た


「っ~~~!!!」


セイに真実を伝えられたリントは、恥ずかしさから、顔を真っ赤に染め、両手で顔を覆った



「さて、リントを充分からかったし、俺はそろそろ帰るわ」


リントが、両手で顔を覆っているを、笑いながら見ていたセイは、立ち上がり、リントとルーファに、帰ることを伝えた


「っ!セイ様!せめてもう一度林王に、会って頂けませんか!」


セイの帰るという言葉を聞いたルーファは、慌ててセイに、林王に会ってほしいと、頭を下げ頼み込んだ


「…ルーファ、それは無理だ」


セイは、頭を下げているルーファの肩に手を置き、真剣な表情で断わった


「っ~!」


セイに断わられたルーファは、拳を力強く握り締めた


「…お前達エルフが、俺達ハーデスを、大切に思っているのは知っている…だが、あの長老の態度は、決して許される物じゃない…俺は冥王様の使者として、林王に会いに来ていたんだから」


セイは、悔しそうに拳を握り締めたルーファを見て、優しい表情で、ルーファを諭した


「…近い内に、必ず、冥王様には謝罪に向かいます」


セイに諭されたルーファは、顔を上げ、覚悟を決めた顔で、セイに伝えた


「ああ、そうしてくれ」


セイは、ルーファの肩を優しく2回叩き、そのまま森の中に向かって行った




「…あの…何かあったのか?」


セイが森の中に消えた後、リントは立ち上がり、恐る恐るルーファに聞いた


「いえ、何も…それより貴方は、どうしてこの森に?」


セイが、森に入って行った場所を見ていたルーファは、リントの方に振り向き、エルフの森に来た理由を尋ねた


「…俺は魔王様から、空を斬った者を探すよう命を受けて、ここに来た」


リントは、真剣な表情で、エルフの森に来た理由を話した


「では、もう仕事は終わりましたね」


リントが、森に来た理由を聞いたルーファは、リントを見ながら、既に仕事が終わっている事を伝えた


「どういう事だ?」


ルーファに、既に仕事が終わっていると伝えられたリントは、意味が分からず、首を傾げた


「空を斬ったのは、セイ様ですよ」


ルーファは、セイが向かった方向を見ながら、空を斬ったのがセイだと伝えた


「・・・・っ!えぇぇぇぇ!!!!」


セイが、空を斬ったと伝えられたリントは、一瞬意味が分からず固まっていたが、理解した後、森に響く程大きい声で驚いた







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