第195話 エルフの到着
「…魔王様と呼べよ」
セイが、魔王を呼び捨てにしたのを聞いたリントは、少し怒った表情で、セイを睨みつけた
「えっ普通に嫌だけど」
リントに睨まれたセイは、真顔で、きっぱり断った
「おい!」
セイに断られたリントは、怒気を帯びた声を出して、セイをより鋭く睨みつけた
「っ!うるさいな」
リントの怒気を帯びた声を聞いたセイは、両手で耳を押さえ、嫌そうな顔でリントを見た
「っ~この…ちっ!」
セイの嫌そうな顔を見たリントは、拳を力強く握り、セイを殴ろうとしたが、いきなり森の中から飛んで来た弓矢を躱した
「ん?この弓矢…ダイナか?」
セイは、地面に突き刺さった弓矢を抜き、見覚えがある弓矢に、攻撃してきたのがダイナだと考えた
「ちょ!何なんだよ!おっと!危ねえな!げっ!ふざけんな!くっ!姿を見せろ!おっ!」
セイが地面に刺さった弓矢を見ている間、リントは、何処から来るか分からない弓矢を、躱し続けていた
「セイ様!ご無事ですか!?」
リントが弓矢を躱している間、セイの前に、木の上からルーファが降りて来た
「ああ、無事だぞ…それよ「貴様!何者だ!」はぁ~」
セイは、木から降りて来たルーファに、攻撃を止めるよう言おうとしたが、言い切る前に、ルーファは、リント目掛けて槍を突き刺していた
「なっ!おい!止めてくれ!」
ルーファに攻撃されたリントは、驚きながらも、ルーファの槍を避け、セイの方を見ながら、止める様頼んだ
「はぁ~仕方ない…すぅ~はぁ~…エルフ達は!今すぐ攻撃を辞めろ!」
リントに頼まれたセイは、呼吸を整えた後、森中に響く程の大声で、辞める様に命令した
「っ!セイ様!何故ですか!?」
リントを攻撃していたルーファは、セイの命令が聞こえて直ぐ、リントから距離を取り、セイを見ながら理由を聞いた
「そいつは魔王の部下らしい!一応林王に確認してもらえ!」
ルーファに理由を聞かれたセイは、リントを指差し、森の中に居るエルフ達にも、聞こえるよう大声で話した
「なっ!」
セイの言葉を聞いたルーファは、驚いた顔でリントを見た
「だから、槍を下ろしてくれ」
セイは、驚いた顔をしているルーファに近づき、槍を下ろすように伝えた
「…分かりました、セイ様が、そう仰るなら」
セイに槍を下ろすように言われたルーファは、リントを警戒しながら、槍を下ろした
「はぁ~助かった、ありがとな…えっと…あっ!セイ!」
ルーファが槍を下ろすと、リントは胸を撫で下ろし、セイを見ながらお礼を言ったが、セイの名前を聞いていない事に気づき、ルーファの方を見て、ルーファが呼んでいた名前を思い出し、セイの名前を呼んだ
「ああ、気にす…「なっ!危ねぇだろ!」」
リントに感謝を伝えられたセイは、気にするなと言おうとしたが、途中で弓矢が、リントの足元に突き刺さった
足元に刺さった弓矢を見て、驚いたリントは、弓矢が飛んできた方向に向かって叫んだ
「自業自得だ」
ルーファは、叫んでいるリントに、冷たい表情で話した
「なんだと!」
ルーファに、自業自得だと言われたリントは、ルーファの方を向き、ルーファを睨みつけた
「お前がセイ様を、呼び捨てにしたからだ」
リントに睨みつけられたルーファは、淡々と、弓矢を放たれた理由を話した
「はぁ?なんでそれだけで、俺に弓を打つんだよ、もっとちゃんとした理由を言えよ」
リントは、ルーファが話した理由に、納得が出来ず、ルーファの胸ぐらを掴んた
「…セイ様は、冥王様の子孫だ、これで満足か?」
胸ぐらを掴まれたルーファは、チラッとセイを見て、セイが頷いたのを確認してから、冷めた目でリントを見ながら話した
「・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ?」
リントは、ルーファが話した内容が、理解出来ず、固まってしまった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます