第184話 エルフの襲撃



「…マジで、どうしよう…これ、下手したら、林王と揉めることになるよね」


セイは、燃え尽きた森と、凍りついた森の間の木の上で、1人困り続けていた



「…うん、逃げるか」


困り果てたセイは、木から降り、静かにその場を離れ始めた



「っ!」


木から降りたセイが、森の中央に向けて歩いていると、いきなりセイの足元に弓矢が刺さった



「誰だ!危ないだろ!」


セイは木の上の方を見て叫んだ



「ほぉ~気付いていたか」


セイが見ている木の裏から、1人の男が出て来た


「当たり前だろ!後、そこと!そこ!他にそこと!そこ!隠れてる4人も早く出て来い!」


セイは、男を見ながら、隠れている者が居る場所を指した



「「「「っ!」」」」


「…仕方ない、全員出て来い」


隠れていた者は、男に言われ、セイが指を指した木の裏から出て来た



「それで、お前は何者だ?」


最初に出て来た男は、木の上から、セイを警戒しながら質問した


「(ハーデスの名前を出しても、信用しない可能性があるな)…俺は冥王様から林王に言付けを預かっているの者だ!」


セイは少し考えてから答えた



「「「「「貴様っ!」」」」」


「やれ!」


セイの言葉に、5人は怒り始め、最初に出て来た男の合図で、一斉にセイに襲い掛かった


4人は素早く木から降り、弓を持っている女性は4人が降りる間、セイに向かって、連続で弓矢を放った



「ちょ!何でいきなり怒ってんだよ!」


セイは、慌てて弓矢を躱しながら、降りて来た4人と距離を取った



「散!」


地面に降りた4人は、最初に出て来た男の合図で、セイを取り囲む様に散開した



「おいおい、勘弁してくれ…」


セイは、弓矢を躱しながら、散開した3人の位置を確認していた


「シッ!」


最初に出て来た男は、【魔装】を使い、セイに近づき、セイの肩に目掛けて剣を振り下ろした


「ちっ!」キッーン


セイは、素早く魔剣を抜き、【魔装】を使い、魔剣で男の剣を受け止めた


「【土槍】!」


セイを囲んでいた1人女性が、セイが男の剣を受け止めた後直ぐ、【土槍】をセイ目掛けて放った



【土槍】槍を土で作り、相手目掛けて放つ魔法。土の硬度は鉄より固く、威力は鉄板をぶち抜く程強い



「ふっ!」


「ぐっ!」


「【水斬】!」


セイは、最初に出て来た男を、力尽くで吹き飛ばし、飛んでくる【土槍】目掛けて【水斬】を放った


セイが放った【水斬】は、【土槍】を切り裂き、そのまま【土槍】を使った女性に向かった


「嘘!…ちょっ!」


【土槍】が斬られた事に、驚いた女性だが、直ぐに迫って来る【水斬】見て、慌てて横に避けた



セイが【水斬】を放つと、直ぐ様、セイを囲んでいた、残り2人の男女が、セイに襲い掛かった


「「シッ!」」


男は【魔装】を使い、セイの頭目掛けて剣を振り下ろした


女性は【魔装】を使い、セイの後ろから、脚目掛けて双剣を突き出した



「(これは避けれん!)【魔威】!」


避けれないと判断したセイは、大量の魔力を使い、強力な【魔威】を使った



「「「「ぐっ!」」」」


セイの【魔威】に、下に降りていた4人は、その場で地面に叩き付けられた



「お前も降りろ!」


セイは【魔足】を使い、木の上に居た女性の背後に行き、背中を押して地面に落とした


「キャ!」


木の上に居た女性は、いきなり背後に現れたセイに驚いたが、慌てず【魔装】を使い、綺麗に着地した


「ぐっ!」


地面に着地した女性は、直ぐ様、セイの【魔威】により、地面に両手を着くことになった



「よし!制圧完了!」


セイは地面に降り、動けなくなっている5人を見て、1人満足していた










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