第156話 サーチェ トルティ 2



一人で考える為にヒサカが出ていき、部屋には、サーチェ、ガイラ、ライカの3人が残った


「さて、行きましたね…ふっ!」


「「っ!」」


ライカは、ヒサカが部屋から遠のいたのを確認すると、サーチェとガイラに殺気を放った


いきなりの殺気に、サーチェとガイラは最初は驚いたが、顔色を一切変えず、殺気を受け流した


「…先程は、ライカ様の為に貴方方の肩を持ちましたが、本来なら、貴方方の態度は、処刑されても、文句が言えないものでしたよ」


「くだらない、私達を処刑なんて貴方には無理よ」


「そうだな、ライカ殿の技量では、私達に傷一つ付ける事は出来ない」


「っ、それは【魔技】が使えるからですか?」


2人の平然とした態度に、ライカは、冷や汗をかきながら、理由を聞いた


「あら、分かってるじゃない、【魔技】を習得していないライカちゃんじゃ、私達には何も出来ないのよ」


「やっぱり公爵家は、全員が【魔技】を習得しているのですね?」


「そうよ、幼い頃から習得させられる技だもの、特に当主は全ての【魔技】を習得しているわ」


「全ての【魔技】、【魔装】や【魔足】の事ですね?」


「へぇ~ヒナイトは、そこまでライカちゃんに教えているのね」


「いえ、ヒナイト様ではなく、セイ様が使っているのを見たので、知っているだけです」


「セイ様…それって、さっき言っていたハーデス王国の関係者よね?詳しく教えてくれる?【魔威】」


「ぐっ!」


ライカは、サーチェの【魔威】により、床に両手を着くように、押さえ込められた


「セイ様って方は、ハーデス王国とどういった関係なのかしら?」


「ぐっ、それは…」


サーチェは、ライカの前まで行き、ライカの頭を持ち上げながら、質問した


「母上、それでは拷問に成ってしまう、【魔威】は解くべきだ」


「でも【魔威】を解くと、ライカちゃんが正直に答えるか分からないじゃない」


「それは大丈夫だろう、先程ライカ殿は、ヒサカに自分が話すと言っていた、【魔威】が無くとも、正直に話してくれるだろう」


「ガイラがそう言うなら、そうしましょう」


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


サーチェはガイラに言われ、【魔威】を解き、ライカの頭から手を離し、椅子に座り直した。


「ライカ、大丈夫か?」


「はぁ、はぁ、大丈夫です、ガイラ殿ありがとうございます」


「気にするな」


ガイラは、息を整えているライカ下に行き、手を貸しライカを椅子に座らせた。



ライカの息が整ったのを確認したサーチェは、セイの事を聞き始めた


「それで、セイ様って方の事を教えてくれる?」


「…セイ様は、冥王様の跡を継ぐ、ハーデス王国次期国王だと、聞いております」


「「っ!何だと!」ですって!」


「詳しくは、この手紙に書いてあります」


「貸して!」


ライカの言葉に驚いたサーチェとガイラは、ライカが懐から出した手紙を奪い取り、手紙を読み始めた



「ちっ、本当にヒナイトは腹立つわね、重要な事は全く書いてないじゃない」


「えっ!そうなのですか?」


「えぇ、どうせ最初からライカちゃんか、ヒサカちゃんにでも、説明させるつもりだったのね」


「うむ、ヒナイト叔父様らしい、やり口だな…ライカ説明してくれ」


「分かりました…では、セイ様と出会った所から説明します」


手紙を読んだサーチェとガイラは、ヒナイトの考えを読み、ライカに説明を求めた



ライカは、覆面の者達に襲われた所を、セイに助けられた事、セイがハーデスの名前を名乗った事、公爵家がハーデス王国貴族の子孫と知り、トーカス王家を滅ぼす手伝いをしてくれる事を、サーチェとガイラに伝えた


サーチェとガイラは、ライカの話を聞き、驚きながらも、途中で話を遮る事はせず、最後までライカの話を聞いた


「…なら、絶対にセイ様に会わなくちゃいけないわね」


「そうだな、今年の王家主催パーティーには出る予定は無かったが、セイ様に会う為に、王都に行く必要があるな」


「私達も、お二人と共に、王都に向かう様、ヒナイト様から言われております」


「仕方ないわ、ヒサカちゃんに説教しながら、向かいましょう」


「そうだな、ヒサカには、まだ言いたいこともあるしな」


「えっと…お手柔らかにして上げてください」


「大丈夫よ、ヒナイトもそれを望んでいるから、私達と王都に向かう様、貴方達をここに来させたんだから」


「(ヒサカ様、ご武運を)」


「では、王都に向かう準備をしなくてはな」


「えぇ、急いで準備するわよ」


サーチェとガイラは、急いで王都に向かう準備をし始めた





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