第126話 人類至上主義
首都ロイを出発したセイは、一度ハンター都市メイトに戻っていた
メイトに着いたセイ、その日は、前と同じ宿に泊まり、お風呂に入り疲れを取った
翌日になると、セイは朝からチェックアウトを済ませ、ハンターギルドに向かった
「ギルドに来るのは久しぶりだな」
「おい!邪魔だ!どけ!」
セイが、ギルドの扉を開けようとすると、後から、ガラの悪い3人組が、セイを腕で突き飛ばして、ギルドに入って行った
「っと、危ないな(ん?この3人弱すぎじゃないか?)」
突き飛ばされたセイは、軽くよろめいた後、ギルドに入って行った3人組を、不思議に思いながらギルドに入った
セイがギルドに入ると、ガラの悪い3人組が、受付嬢をナンパしていた
「なぁ?いいだろ?この後食事に行こうぜ?」
「無理ですよ、私結婚してますから」
「どうせ碌でもない男だろ?それに比べて俺は優しい男だぜ?」
「俺が保証するぜ、こいつは世界一優しい男だ」
「俺も保証するぜ」
「なぁいいだろ?」
「ぷっ…あっはっはっはっはっはっ」
セイは、ガラの悪い3人組が、下手なナンパをしているのを見て、大爆笑していた
「誰だ!笑った奴は!」
「ぁ゙~笑った、何が『俺は優しい男だぜ』だ、優しい男が人妻を口説くかよ、馬鹿なんじゃねぇの」
「「「なんだと!」」」
「それに、『俺が保証するぜ、こいつは世界一優しい男だ』って、誰がどう見ても、無理矢理女を襲う気、満々じゃねぇか」
「「「なっ!」」」
「そうよね、下心が見えすぎよね」
「どう見ても、酔わせて襲いますって、顔に出てるわ」
「あの3人組って、最近この都市に来たんでしょ?どうせ、元いた街で同じ事をして、居られなくなったのよ」
「それに、ちゃんと働いてる所、見たことないわ」
「当たり前よ、あの3人組じゃあ、魔物をまともに倒せないでしょ」
「そうよね、装備も手入れしてないし、剣なんて錆があるもの」
「ハンターとして、3流どころか5流以下ね、下手したら、もっと下かも」
セイの言葉を皮切りに、ギルドにいた女性ハンターが、3人組の事を話始めた
「「「っ!このガキ!」」」
「よっ」「ぐぁ」
「ふっ」「がっ」
「ほっ」「ゔっ」
3人組は、一斉にセイに殴り掛かったが、セイは全てを躱して、逆に鳩尾を殴った
殴られた3人組は、お腹を押さえ、その場で踞った
「「「ゔっゔぅ」」」
「弱いくせに調子に乗るからだよ…次からは身の程を弁えて、行動しろよ?」
「「「…ばい」」」
「セイ様、何をしているのですか?」
「ん?なんだギルドマスターか」
セイの後ろには、騒ぎを聞きつけた、ルージュが立っていた
「それで、この3人は、何故踞ってるんですか?」
「この3人が、殴り掛かってきたから、一発鳩尾を殴ったら、こうなった」
「セイ様、強く殴り過ぎたのでは?」
「いや、ちゃんと軽く殴ったぞ」
「では、この3人が弱かっただけと?」
「そうだ」
ルージュが周りを見渡すと、ハンターや職員達が、首を縦に振っていた
「はぁ、それで、セイ様はどのような、要件で今日は来たんですか?」
「林王の領域がある、エルフの森に行くまでの地図を見せて欲しい」
「っ!冥王様から、見せて貰わなかったんですか?」
「それが、冥王様の所に有った地図は、古い地図だったから、今の国や街は載ってないんだよね」
「…分かりました、ではお持ちします」
ルージュは、自身の執務室から1枚の地図を持ってきた
「…これが今の地図です」
「おお!ありがとう!」
セイは地図を受け取ると、その場でエルフの森までの道を調べた
「…このトーカス王国を横断すれば、早く行けそうだな」
「っ、セイ様、トーカス王国を通るなら、王族と貴族には、気を付けて下さい」
「ん?何か面倒な事でもあるのか?」
「トーカス王国の、王族と貴族は、人類至上主義を掲げてます」
「人類至上主義?」
「はい、昔は違ったのですが、ここ200年で、人類至上主義国家に、変わってしまいました」
「はぁ、馬鹿な国も有るんだな…面倒だし、王族と貴族には関わらい事にしとくよ」
「それがいいかと」
「じゃあ地図は返すよ」
「いえ、何かあった時の為に、お持ち下さい」
「そう?ならありがたく貰っていくよ」
「いえ」
セイは、地図を懐に入れ、ギルドを出て行った
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