第69話 ウルと話4



セイはマーサなら魔獣を元に戻せる可能性があることをウル達に教えた


「マーサの魔法なら、戻せる可能性があるのは分かるが、それだとマーサが狙われないか?」


「そうだよ!シスターは大丈夫なの?」


「大丈夫だよ」


「何でそう言い切れるの?」


「シスターには、護衛が付いてるから」


「えっ…」


「なんだよ、サラは気づいてなかったのか?」


「気づく?」


「サラさん、マーサさんには、セイ様が冥王様にお願いをして護衛をつけてもらってるんですよ」


「でも、私その護衛を見たことないよ」


「当たり前だよ、人に見つからないように護衛してもらってるんだから」


「なら気づかないよ!」


「サラ、貴方は武術家として、気づくべきだったんですよ」


「ならマイカさんは気づいていたの?」


「まあ私も最初は気づかなかったけど、しばらくして、マーサさんの近くにいると見られてる感じがして気づいたけど」


「私気づかなかった…」


「なら、もっと修行しなきゃね」


「うん!頑張る!」


「それでマーサが大丈夫なのは理解したが、本当に魔獣を人に戻せる可能性があるのか?」


「多分だけどね、シスターの魔法は机に使うと木に戻り始めるから、魔獣なら人に戻り始めると思うんだよね」


「それなら可能性はあるな」


「まあ、やってみないと分からないけどね」


「でも本当に戻せるなら、それは魔獣とっては何よりも喜ばしいことね」


「そうですね、何千年も待った魔法を見つけることが、できたのですから」


「だから、できるだけ早く冥王様に会いに行きたいんだよね」


「そうね、なら明日にでも出発しましょうか」


「そうですね、今日はこの町に泊まり、明日の朝出発しましょう」


「ならセイ達は今日何処に泊まる気だ?」


「教会はどうなの?」


「あそこは今無理だぞ」


「えっ、何で?」


「なんか告発があったらしくて、王都の司教が来てるからな」


「あら、マーサちゃんが告発したあの件ね」


「「「「「えっ!」」」」」


「動くのが早いね、流石は教会だね」


「セイは知ってたの?」


「知ってたよ、シスターに領主が横領してるの教えたの俺と母様だし」


「そうなのか!」


「俺が母様にシスターは金貨10枚を大金扱いするって言ったら、母様が教会の給料をシスターに教えて、シスターが横領に気づいてそのまま王都の教会に告発に行ったんだよ」


「でもセイは、領主の横領に前から気づいていたけどね」


「そうなの?」


「いや、シスターには前から遠回しで教えてたのに、全く気づいてくれなくて」


「遠回しじゃなくて、しっかり教えてよ」


「いや~まさかあんなに気が付かないとは思わなくて」


「セイはどう伝えたの?」


「シスターには、『普通は、シスターの給料で孤児を養うことはないんじゃないの?』って伝えたんだよ」


「そしたら『どこの教会も給料で孤児を育ててる』って言うんだよ」


「「「「「・・・・・・・・」」」」」


「その後も、何回か言ったんだけど、気づいてくれなかったから、諦めた」


「…俺も諦めるな」


「「「「…私も」」」」


「でも!はっきり言ってくれたら!」


「だって、金貨10枚ですごい感謝してたから、言いづらくて」


「「「「分かる」」」」


「そんな~」


「それより今日何処に泊まる?」


「この町に宿はあるんですよね?」


「確か古い宿があるはずです」


「あそこなら、この前潰れたぞ」


「えっ、なら今日野宿?」


「そうね、また馬車で泊まりましょ」


「ならこの庭で野宿してください」


「いいんですか?」


「いいですよ」


「なら今日はここに泊まろうか」


「なら準備しなきゃね」


「「「はい!」」」






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