第60話 変異種の懸賞金



レッドベアを討伐したセイは、総騎士長ホウガと口論の後、そのまま家に帰って行った


「ただいま~」


「「「おかえり」」」


「「おかえりなさい」」


「ふぅ~終わった~」


「それで、鐘は何が原因だったの?」


「レッドベアの変異種だよ」


「「「「っ!」」」」


「あら、大丈夫だったの?」


「まあ倒すのは簡単だったけど」


「けど?何かあったの?」


「ちょっと倒すのが面倒だったから、強めの魔法を使っちゃて」


「セイ様、どの魔法を使ったのですか?」


「【氷剣零断】を、強めに使った」


「「「「えっ…」」」」


「それでは、周りに被害が」


「うん、門から50メートルぐらい氷漬けになってるよ」


「「「「「・・・・・・・・」」」」」


「セイ!ちゃんと氷を片付けたの?」


「大丈夫じゃない?終わった後に騎士団と国家魔法師団が来てたから」


「つまり、片付けてないのね」


「うん、面倒くさくて」


「「「「「・・・・・・・・」」」」」


「だって1番大変な倒すことはやったんだから、後は国の仕事でしょ」


「それもそうね」


「騎士達は普段から威張ってるんだから、こういう時こそ仕事させなきゃ」


「ふふ、そうよね、仕事しないならいる意味ないもの」


「そうだよ、無能なんだから、こういう時こそ仕事をして、役に立ってもらわなきゃ」


「「ふふふ」」


「「「「(怖!)」」」」



次の日、セイは昼からハンターギルドに向かっていた


「(今日は少し肌寒いな、昨日の氷がまだ撤去できてないのか?)」


「(それにしても、久々に魔力を抑えずにに魔法を使えたな)」


「(でも軽く魔力を使っただけで、あの被害だと余り使う機会はないな)」


「(それでも、たまには気にせずに魔法を使いたいな、おっ、着いた)」


魔法の事を考えながら、セイはギルド到着した


「よし、入るか」


「マスター!来たぞ!」


「遅いぞ!なんで朝から来なかった!」


「いや、懸賞金を貰うだけだから」


「そんな訳無いだろ!」


「まあいいや、てかなんでハンター達が、壁際に移動したの?」


「「「「いえ、なんでもございません」」」」


「いや、なんかあった?」


「ああ、そいつ等はお前を恐れてるんだよ」


「「「「マスター!なんで言うんだよ!」」」」


「へぇ~」


「「「「っ、いえマスターの冗談です!なにかするならマスターに!」」」」


「おい!なんで俺なんだよ!」


「「「「マスターだから」」」」


「相変わらず、面白いギルドだな」


「はぁ、じゃ俺の執務室に行くぞ」


「分かった」


セイは執務室に移動して、マスターと話し始めた


「それで、懸賞金以外に何の用だ?」


「それはな、近い内にハンター本部から連絡が来るって話だ」


「ハンター本部?なんでそんな所から連絡が来るんだ?」


「スカウトだな、ハンター本部は前から強い魔法師を自分達の専属にしてるんだよ」


「ふっ、くだらねえ、所詮は権力にすがる者達か」


「耳が痛いな、元々はハンターが国を超えて活動できるように本部を作ったってのに、今や上層部は貴族の真似事をし始めた」


「なら近い内に滅びるかもな」


「なっ、どうしてそう言える!」


「ハンター制度は、魔獣の王が人々が領域に入ることを許可する証だからだ」


「そうなのか?」


「そうだぞ、だから国が管理している」

 

「なら、今の上層部がやっていることは」


「そう、魔獣の王の決まりを破る行為だな」


「やばいな、どうにかしなきゃな」


「無理じゃないか?」


「だが、このままでは無関係の者達に被害が」


「なら、マスターが他のギルドマスターに連絡をして、今の上層部を追放することだな」


「そうするか、はぁ、なんで俺が…」


「まあ頑張れ、それより他の要件はないのか?ないなら懸賞金を出してくれ」


「そうだな、今回の懸賞金は金貨3000枚だ」


「かなり多いな」


「いや、本来は何十人で討伐する所を1人で討伐したから、報酬を1人じめだな」


「そうか、貰っていく」


「ん?数えなくていいのか?」


「3000枚は一人で数えると、時間がかかるから家で数えるよ」


「そうか、足りなかったら言ってくれ」


「まあ大丈夫だろ、それで素材の値段は?」


「それはまだだ、解体が終わったら連絡するよ」


「分かった、なら家に連絡してくれ」


セイは、そう言うと執務室を出て行き、そのまま家に帰って行った






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