第40話 騒ぎ



 その日、セイの魔法により王都は大騒ぎになった、いきなり雲が割れて吹き飛ばされた所を多くの人が見ていた


 ~ハンターギルド~

 ハンターギルドマスターと職員の会話



「おい!今のは何だ!」


「分かりません!…誰かの魔法なのは確かなのですが、これ程の魔法を使える人は少ししか心た当たりがないです」


「なら!その心当たりに聞いてこい!」


「ですが!その心当たりの殆どは、今魔物刈りに行っていないんです!」


「残りの心当たりは!」


「後は国家魔法師団長と魔法師副団長だけです!」


「ちっ!ならあり得んな…クソどこのどいつだ、こんな事しでかしたの!」



 ~国家魔法師執務室~

 国家魔法師団長と魔法師副団長の会話


「おいおい、どこの馬鹿だこんな事しでかしたの」


「さぁ?僕や団長じゃないなら、ハンターギルドの馬鹿じゃないですか?」


「いや、今これ程の魔法が撃てるギルドの馬鹿達は、魔物刈りに行ってるはずだ、それに雲を吹き飛ばす事ならできるが、あれは最初に線が入っていた」


「なら雲を切り飛ばしたってことですか?」


「俺にはそう見えたな」


「どんな化け物ですか」


「分からんが、これは探す羽目になるな」


「えぇ~、嫌ですよ僕」


「何でだ?」


「だって冥王様の粛正の後始末が、やっと終わったのに、あんな事する人物がまともなわけ無いですもん」

 

「うっ、それは俺も思う、だが粛正のせいで国家魔法師が、かなり減ったから、上から必ずスカウトをしてこいって言われるぞ」


「えぇ~もし危険人物だったら、僕殺されちゃいますよ」


「だから俺達2人で、やらされるだろうな」


「嫌だな~あれが全力ならまだ希望がありますけど、全力じゃなかったら、僕達2人でも無理ですよ?」


「そうだな、はぁ~一応陛下に聞いてくるか」


「探せって言われても、断ってきてくださいね」


「努力する、はぁ~」


 ~国王の執務室~

国王と近衛騎士団長と宰相の会話


「陛下今の見ましたか?」


「あぁ見た、あれは誰がやった?」


「判りません、しかしハンターで無ければ、スカウトをしたほうが」


「そうだな、急ぎ魔法師団長と魔法師副団長を呼べ」


 コンコン「陛下私です」


「カーチか、入れ」


「はっ失礼します」


「丁度良かった、お主とシボンを呼ぼうとしていたところだ」


「やっぱりですか」


「分かっていたのか、なら話は早いスカウトをしてこい」


「嫌です!」


「「「何故だ!」」」


「あれをやったのは化け物ですよ?もし危険人物だったら、俺達殺されるじゃないですか!」


「なら騎士団長を何人か連れて行け」


「嫌です!」


「「「何故だ!」」」


「騎士団長を連れて行っても、あの魔法を撃たれたら、誰も助からないからです」


「そんなに強いのですか?」


「宰相と騎士団長は、分からないかもしれませんが、あの魔法はやばいです」


「どれほどなのだ」


「あの魔法は、雲を吹き飛ばしたんじゃありません、斬り飛ばしたんです、つまり魔法の威力が強すぎて、余波だけで雲を吹き飛ばす程の強さなんです」


「「「・・・・・・・・」」」


「うむ、無理だな、スカウトは諦めよう」


「そうですね」


「下手に戦闘になったら、王都に甚大な被害がでますし」


「「「諦めよう」」」


「分かってくれてよかったです」


コンコン「陛下、マイカです」


「?入れ」


「失礼します」


「お主はセナについて行ったのに、何のようだ?」


「いえ、セナ様からの伝言です」


「セナから!聞こう」


「では「雲を吹き飛ばしたのは、私の自慢の息子だから探さなくていいわ」だそうです」


「「「「えっ・・・・」」」」


「それと「どうせスカウトをしようとして、魔法師団長が嫌がったでしょけど」とのことです」


「待て!あれは私の息子がやったのか!」


「それも「貴方の息子じゃありません、私の自慢の息子です」と答えるよう、言われてます」


「では、セナは幸せか?」


「それも「貴方には関係ないことです、ですがこれは答えましょう、幸せですよ、自慢の息子と一緒にいられるもの」とのことです」


「ぐっならば、許してくれと」


「はぁ~「今更謝られたところで、私は息子との時間を6年も奪われたのです、なので嫌です」だそうです」


「「「「・・・・・・・」」」」


「では失礼します」


「陛下全て読まれていましたね」


「あぁ…」





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