第38話 冥王と話5



冥王とセナはカイの話と、マーサの魔法をセイから聞いた


「さて、マーサの魔法は分かったわ、セイとサラちゃんの魔法は、何なの?」


「そうじゃの、セイは特殊系、サラって子の魔法は何じゃ?」


「サラの魔法は叩く、土と氷を形にしてそれで叩くですね」


「ほう、それは…サラって子は強くなるの」


「わかるのですか?」


「うむ、サラって子が、武術を学べば確実に強くなる」


「俺もそう思います、サラの魔法は近距離で発動されたら、かなり厄介ですから」


「そうなの、じゃぁ武術を学ばなきゃね」


「それにしても、サラって子は本当に平民か?あそこまで魔素の浸透率が高いなら、貴族の子供の気がするの」


「神からサラの血筋は聞いています、サラは貴族の子供ですよ」


「なら、サラちゃんは、どこの家の子供なの?」


「ガーデン家って言われました」


「ガーデン家…儂は知らんの」


「私は知っていますけど、ガーデン家は次期当主だった息子さんが、駆け落ちしたから、子供はいないとはずだけど、ならサラちゃんは、その息子さんの子供ね」


「多分そうですね、サラの両親はサラが赤ちゃんの時に火事で亡くなっていますから」


「そうなの、ならガーデン家の当主に手紙を出しておくわ」


「それがいいかと」


「サラって子の事は分かった、セイの魔法は何じゃ?」


「俺の魔法は斬る、属性を形にして斬ることです」


「斬る…何処が特殊系なの?」


「それは属性を形にすることだよ」


「なるほどの、属性を形にする…セイはありとあらゆる属性で斬る事ができるのじゃな?」


「えぇ、火だろうと闇だろうと、形にし斬る事ができます」


「ならばセイは剣を学ぶべきじゃな」


「何故です?セイは剣なしで斬る事ができるのですから、剣を学ぶ必要が無いと思いますけど」


「いや、セイの魔法はあらゆる属性の斬撃を出せる、ならば剣を学び剣から魔法を出すべきじゃ」


「剣から魔法?そんなことできるの?」


「そうかセイは知らぬのだな、魔鉱石から作り出した武器は、魔力を流し込む事ができる」


「魔鉱石?」


「そう魔鉱石じゃ、魔鉱石は長年魔素を吸収した鉱石での、かなり珍しく、また加工が難しいのも特徴じゃな」


「そのせいで、魔鉱石から作られた武器は年に一本あるかないなの、それも皆が欲しがって手に入れるのは、至難の業よ」


「なら手に入れるのは、ほぼ無理だね」


「いや、儂の城にある剣をやる」


「「えっ!」」


「儂の息子が使っていた剣をやろう」


「えっでもそれは…」


「よいのじゃ、息子の子孫が剣を使うなら、息子の剣をやらねば、亡き息子に怒られてしまう」


「「ありがとうございます」」


「さて、儂はそろそろ帰るかの」


「もうお帰りに?」


「うむ、一応儂は王じゃからな、何時までも城を開けておくわけにも、いかんのじゃ」


「そうですか、では冥王樣この度は、側妃達から護っていただきありがとうございます」


「気にするな、儂は子孫を護っただけ、当たり前の事じゃ」


「それでも感謝は忘れません」


「そうか、なら感謝は受け取ろう、それで、よいな」


「はい」


「セイもその内、儂の城に遊びに来なさい」


「はい」


「ではな!」



そうして冥王は帰っていった




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