異世界転生漫遊記

しょう

第1話 主人公死す


「ぁ゙~疲れた、やっと終わった~」


カタカタとキーボードを叩く音がするなか

疲れ切った声が室内に響く


「先輩おっさんくさいですよ!」


「しゃあないだろおっさんなんだから」


「いやまだ27じゃないですか!」


「何言っての27はおっさんだろ」


「そんなこと言ったら僕、後2年でおっさんじゃないですか!」


「そうかもう25か、早いな」


「何がです?」


「この会社に務めてもう2年か」


「そうですよ」


「そうか、なぁ?」


「はい?」


「いい加減辞めたらどうだ?」


「・・・・」


「まだ25ならやり直せるだろ、こんなブラックに居るより違う所に転職したらどうだ?」


「・・・・先輩は辞めないんですか?」


「辞めるぞ、お前の後に」


「なんで僕の後なんですか辞めるなら一緒に辞めましょうよ」


「まぁ色々あんだよ!」


「なんですかそれ」


「色々は色々だよ」


「今なら仕事も少ない時期だから辞めるなら今だぞ」


「それはそうなんですけど」


「ならさっさと辞めてしまえ、辞表ならあるんだろ?」


「まぁ、前に酔った勢いで書いたのなら」


「なら明日それ部長に提出しとけ、社長には俺の方からうまく言っとくから」


「いいんですか?」


「いいに決まってんだろ」


「なら、分かりました」


「明日、部長に出しときます」


「じゃぁ今から景気祝に飲みに行くか?」


「いいですね!」




1ヶ月後


「ぁ゙~終わんね~」


「マジであのクソ部長ふざけんなよ!」


「何が「お前の責任であいつが辞めた」だ!」


「お前の無能を棚にあげで言うなっての」


「社長も社長で「困るな~これから忙しくなるのに」だ」


「会社のキャパに合わない量の仕事入れるからだろが!」


「マジでふざけんなっての!」


(何で一人で喋ってんだろ?)


「・・・・ヤバいなマジで終わらん」


「また会社に泊まりか?もう一週間帰ってないぞ」


「なんか体の節々が痛いし歳か?」


「冗談でおっさんだろって言ったけど」


「マジでおっさんか?」


「ふ~ヤバいな仕事終わってないだけど今日はここまでにしといてもう寝るか」


「また明日も激務だしよ」


「じゃぁおやすみ」



その後朝会社に来た人が見たのは眼の下に濃い隈ができ痩せ細った体のまま亡くなった主人公

の亡骸だった

その後警察が呼ばれ大騒ぎになり検死に回され過労死と診断された。

そのことが切っ掛けとし会社に調査が入り

会社は瞬く間に潰れ社長は借金地獄に落ち

部長はどこの会社にも就職ができず

二人とも消息不明になった。



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