断罪されて平民になりましたが、知らぬ間に貿易国のヤンデレ王子の手の中にいました。

第6話 三人視点

　放課後になるといつも四人で集まり、日々の情報共有しているのだが、ここ1週間ルーカスの様子がおかしい。

　10年も一緒にいたら流石に少しの変化にも気づかないはずがない。

　あんなに必死だったのに今はなにか余裕が見える。

　いつもなら『ユリアがいないならランル国、もういらないよね？潰そっか』とか言いそうなのに、やけにあの日はなぜか冷静な判断をしていたし、まぁ俺らがルーカスに反対することは不可能なんだけど。

———ルーカスは昔からユリアへの執着が異常だった。常に一緒にいるし、ユリアに近づくものはすべて排除してやるという勢い。

　まぁ俺らも実際にユリアに近づくよくなーい人達は全員排除していたしそこまで言えないんだけどね。

　それよりも1番のルーカスに逆らえない理由はこの四つの国の中でトップだからだ。この国には、各特徴がある。

　ユリアの住んでいる国であるランル国は、自然豊かで、ほとんどの人が魔法とゆうより、おまじないに近い、植物を上手に育てる力を持っている。

　ガイアンの国であるアルファンド国は、鉱山資源に恵まれており、古くから武器の発達があったため、これらの国の中で最強の騎士団がある。

　ルカとユーリの国であるフラジーナ国では、治癒魔法が盛んである。人口の1割しか治癒魔法士はいないが、世界で見ると滅多に治癒魔法士は居ないため各国で活躍している。

　最後にルーカスの国であるアルベルト国では、攻撃魔法から治癒魔法までたくさんの魔法使いが存在する。

　大昔に全能大魔法使いがこの四つの国を作ったとされ、そこで王位に着いた場所がアルベルト国だと言われており、ルーカスの先祖に当たるとされている。また実際にルーカスはそれを引き継ぎ全能魔法使いである。

　そういうわけで、ルーカスはいわゆる"最強"なのだ。またルーカスが欠けてしまえばこの国々は滅びるという。フラジーナ国の聖女様が神からの声明も受け取っている。