無限廊下

学生作家志望

影の乗っ取り

寝るか…明日も早いし。


リビングの電気を消して、暗い廊下を渡り、寝室へとつく。


月の光を閉じているその扉を開け、寝室へと


「ん?あれ、廊下に戻ってる…」


確かに寝室に入ったはずなのに、なぜかまた廊下に戻っていた。


「なんだこれ、」


リビングの電気はついていない。つまり、時が戻ったわけではないはずだ。そもそも、漫画じゃないんだから、そんなこと起きるはずなどないのだが。


「疲れているのか。」


疲れている。なんて簡単に言ったが、別に今日、特別会社で忙しかったわけではない。


変わったことなんて何も無かったんだ。


カチッ


「は?」


玄関のようにセンサーなんてない洗面台の電気が、勝手についた。


しかも、洗面台の奥にあるお風呂に、誰かがいる。


人影が確かにそこにある────


「なんだよ、誰だよ……!」


女ではない、男だ。影だけでわかるくらいの体の大きさ。


男だ。


カチッ


「え、また?」


洗面台の電気が勝手に消えて、また廊下の初めに戻っていた。


「廊下が、終わらない…」


カチッ


「あ…!!はあ、はあ、」


夢、、か。


「何だったんだ…」


寝室のドアを開けて、廊下へと踏み出す。


「ん、あれ?」


寝室の近くにある玄関。


「鍵が、あいてる?」


カチッ



「夜?廊下…」


また戻った?


違う、お風呂だ、お風呂に俺は立ってる。


そして


夢で見たあの大きな男が、俺くらいの大きさになって…


こちらを見て、にやりと笑っていた。





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無限廊下 学生作家志望 @kokoa555

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