アイデアNo.026 魔王になった理由:設定+あらすじ
人間とは勘違いと思い込みの中で生きている。
事実が真実であるかどうかは問題ではない。
人間はその真偽など無関係に自身が真実だと信じるものをそう思い込むのだ。
僕の一つ目の不幸は瞳の色だ。
僕の瞳の色は他の人とは違う。黄色に近い金色と言うか、金色に近い黄色と言うか、闇の中では猫の様に際立って見える。
瞳の色が違うというだけで外見において他者と違う所はない。
だが、この瞳の色を見た自称占い師が幼少の僕に言ったのだ。
「この子は呪われている。将来、人に災いをもたらす悪魔となるだろう」
今、考えると普通そんな言葉を真に受けるほうがどうかしている。
けれど、僕の周囲の人間はそれを信じた。
二つ目の不幸は僕が他の子供達よりも優秀だった点だ。
走れば他の子供よりも飛び抜けて速かったし、試験を受ければ常に一番だった。
けれど、その度に、
「悪魔だからだ」
「魔界から力を得ているからだ」
「気持ち悪い」
「呪われているのよ」
そう大人達だけではなく子供までもが囁く様になった。
そして、三つ目の不幸は、これは運が悪かったとしか言いようがない。
ある日、母と道を歩いていると石を投げられた。
これ自体は驚く事ではない。いつもの事だ。
けれど、この日投げられた石の中には、いつもより大きな物が混じっていたらしい。
それが母に直撃して、当たり所が悪かったのか動かなくなった。
僕は頭が真っ白になった。
そして、どす黒い感情が胸の内から湧いてきた。
どうしてこんな扱いを受けなければならないのだろう。
どうして関係のない母までこんな目に合わなければならないのだろう。
どうして……、どうして……。
僕は叫んだ。
言葉にならない思いを声に出す事で発散した。
それは奇声と呼ばれる類のものだったろう。
それでも僕は叫んだのだ。
その時、地震が起きた。
地を裂き、陥没させ、山の形が変わる程の地震が。
はじめに言っておくが、もちろん僕が引き起こした訳ではない。
けれど、周りの人間に、それは通用しなかった。
僕が大地震を引き起こしたなんて馬鹿げた話を皆信じたのだから。
そうやって僕は――いや、俺は、いつしか魔王と呼ばれる存在になっていた。
▽▼▽▼▽▼▽▼
間違いなくアニメの影響ですね。
勇者や魔王を中心とした作品が多い年がありましたから、その頃に考えたのでしょう。
まあ、悪くない設定だとは思います。
問題は、ここからどう発展させるかですね。
思いつかなかったから保留され、腐っていたんだなー。
魔王と勇者は他にも考えた覚えがあるから、それらと組み合わせれば長編化の可能性もあるかもしれません。
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