アイデアNo.009 イマジナリーフレンド:あらすじ

 彼女と離れて四年が過ぎた。

 僕は高校生になった。

 

 そこで僕は、彼女と運命の再会を果たした。

 

 嬉々として話しかけた僕に、彼女は言った。


「なんですか? あなた誰ですか? もしかしてナンパのつもりですか?」

 

 彼女は僕のことを忘れていた。

 それだけではない。性格もすっかり変わっていたのだ。あれほど前向きだったのにクスリとも笑わない、根暗になっていた。

 

 いったい彼女に何があったのだろう。

 何がそこまで彼女を変えてしまったのだろう。

 もしかしたら困っていることがあるのではないか。


 そう思った僕は彼女に話しかけ続けた。昔の彼女を取り戻したくて。

 

 しかし、母親の一言ですべてが崩壊した。


「友達って……ああ、あんたが子供の頃に言ってた架空の子のこと? あのときはどうしようかと思ったわよ。覚えてない? 精神科に連れて行ったこと」

 

 イマジナリーフレンド。

 架空の友達。

 

 彼女は、どこにも存在なんかしていなかった。

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