アイデアNo.018 魔女:シーン
闇夜の中、二人の少女は森を走っていた。
少女たちの後ろからは、揺らめく無数の松明と大人たちの怒号。
少女たちは逃げきれないことを悟っていた。体力も脚の速さも違い過ぎる。
「あなただけでも逃げて。追われてるのはわたしなんだから」
「やだ。捕まったらどうなるか、わかるでしょ? キミを失うぐらいなら死んだほうがマシだよ」
「死んだ方がマシって、この状況じゃシャレになってないよ」
「だって本気だからね」
と、少女は少女を石ころで殴る。
倒れた少女は愕然と見上げた。
「どうして……」
「言ったでしょ、キミを失うくらいなら死んだ方がマシだって。キミはあたしとは違う。世界を変えることだってできるんだ」
「そんなの……」
どうだっていい。あなたを不幸にする世界なんて、どうだって。
「それでも、あたしはキミに生きててほしいんだ。だから、ここからはあたしが魔女になるよ」
そこで、少女の意識は途絶える。
朝日で目を覚ました少女は、友人の服を着せられていた。
自分が着ていた服は、どこにも見当たらない。
それで少女は悟った。
彼女は、自分の身代わりになったのだ。
少女は走った。
彼女が向かった先は見当がついていた。少女を守るため、きっとみずから大人なちの元へ向かったに違いない。
そこから先は――町に戻ったのだろう。
町の広場には、黒ずんだ磔台と、人だったらしい何かがあった。
大きさからして、子供。
胸元には見覚えのあるペンダントが残っていた。
「ああああああああああー……っ!」
少女の絶叫が、天へと昇っていく。
▽▼▽▼▽▼
これはたぶん。
《ゼロから始める魔法の書》
を読んで思いついたネタだった……かなあ?
改めて見ると、よくあるシチュエーションですね。似たシーンは世の中にいくつもある気がします。
アイデアが閃いた時は唯一無二に思えることが多いんですけど、あとから見直すと全く使えないことも少くありません。
だからアイデアは質より量だと思ってます。ありきたりだろうが、駄作臭がプンプンだろうが、とりあえず閃いたら書いておく!
アイデアの選別は未来の冷静な自分に任せましょう!(笑)
▽▼▽▼▽▼▽
似たアイデアが出てきたので、これも同時掲載します。
「わたしに名前なんてないわ。わたしは、ただの装置にすぎないもの」
歴史に残る魔女がいた。
その魔女はまだ十三歳だったが、たぐいまれなる才覚によって様々なことを成した。
魔女にとって不幸だったのは、彼女が有能すぎた点だ。
大きすぎる力は、他者に利用され、他者に恐怖を与える。
恐怖は恐怖を呼び、集まった恐怖は才能を殺す。
そして魔女は、才能だけでなく命までも奪われたのだった。
それが、歴史に残った魔女の末路。
しかし、魔女は生きていた。
一人の少女が、魔女の身代わりになって。
その少女は、魔女にとって親友だった。彼女だけは、周囲がどんなに変わっても同じでいてくれた。彼女から、変わらないことの強さを知った。
だから魔女は闘う。
一人、世界に抗い続ける。
少女が遺した、最後の願いを叶えるために――。
▼▽▼▽▼▽
上のアイデアと下のアイデアは年単位で時期が違います。
やっぱり同じ人間ですから、出てくるアイデアも似通ってきますね。
もしかしたら上のアイデアを見て、これを書いたのかもしれません。覚えてないけど(笑)
だって、そう思えるくらい話が繫がってますからねー。
この二つのアイデア+魔女病で作品が作れそうですね。
けど、わたしが書いてもありきたりな作品になりそう💦
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