春、鬱鬱
岸田春
第1話 疎外感
時刻は19:30を回ろうとしていた。
「こんにちはー」
カルトみたいな声色でさっそうと教台に向かう意識高そうな女性、山田さん。どうやら自分で一人会社を立ち上げたすごい人らしい。目が怖い。目つきが鋭い。トイレに行かせてくれなそう。
おもむろに荷解きをして講義は始まった。言っていることはもっともなことで、努力を知り、苦労を知り、現実を知っている大人ならではのコンテンツであるから勉強にはなった。が、いろんな生き方があるなー、、そんな感想しか出てこなかった。
ふと隣を見ると溌溂とした女の子が座っていた。後ろにはイケおじみたいなやつが座ってるし、グループワークでも全然話は弾まない。なんでそんなことするん。気使ってでも話せや。とか考えていたらおじと女の子は最終的にめっちゃ仲良くなってた。インスタ交換してた、将来のこと話し合ったりしちゃってた。自分はトークうまくないし愛想もよくない、おまけに引き出しも少ないから話しづらいと感じるのはわかるよ、、でもさ、初対面だよ?もうちょっと優しくしようぜ。それだけ全力で学びに来てるのか、ただの相性の問題なのかはわかんないけれど、どっちにしても取り残されてる感じが半端なかった。毎日こんな疎外感だらけだ。どうやったら疎外から抜けられるだろうか、、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます