懐中電灯

つばきとよたろう

プロローグ

 大阪市東成区神路には、日本で唯一懐中電灯を作っている会社がある。それだからその町では不思議なことが起こる。遅い夜道を帰っていると、懐中電灯が集まっているのを見つけた。これはちょうどいいと思って、一つ手に取った。そのせいか分からないが、色々な不思議なことが起こる。すると、懐中電灯の明かりに一匹の蛾が寄ってきた。蛾は一匹が二匹になり二匹が四匹に増えた。蛾の鱗粉には毒があってそれに触れ、うっかり懐中電灯を落としてしまった。落とした懐中電灯は、別の懐中電灯たちが連れ去ってしまった。私は暗い中を迷わないように道なりに歩いた。そうして家にたどり着いた。

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