始まりは灰色の音楽室

愛雷

第1話

いつからこうして過ごしてるんだっけ?


–今日も私はここで窓の外から見える空を見ていた−


「いってきま〜す」

無視か…。まあ、こんな私にはもうあきれてるよね…。そりゃあそうだよね、学費の無駄だもんね。そろそろバイト始めてこの家出ていこうかな。なんて考えて、どれくらい経つんだろう。結局、バイト探し全くしてないじゃん。私って相変わらず口だけの女だな〜。

学校。それは今は私にとってどうでもいい場所だ。楽しくもないし、平日は毎日通っているけど、授業を受けてなどいない。はは。いつからこうなっちゃったんだろうな。自分でも鼻で笑えるや…。中学を卒業してるから義務教育は終わっている。高校なんて、もう行きたくない。そう、私の居場所はもうそこにはないんだ…。今日も今日とて学校にきたとしてもまたここだ。ひとけのない旧校舎の音楽室。ここだったら誰もこない。だれにも邪魔されない。自分だけの空間。私だけのもの。なんて、校長とかにバレたらやばいよね…。まあ、それ以外の理由もあるんだけどね…。でも、だからこそ、やっぱりこの場所は私のものにしたい。

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