おはよう、みんな。
おはよう、みんな。今日は私の相棒を紹介するね。
「たポッ!たポッ!」
鳴いているのは僕の相棒。生茶のペットボトル。鞄から取り出してやる。
「おうおう、どうしたどうした。」
鞄の中は暗いから、怖かったのかもしれない。漏らしたのか?とも思ったけれど、容器に穴は空いてなかった。光の当たる、鞄の上の方に戻してまた歩き出す。
「たポッ!たポッ!」
「もー、うるさい奴は振っちゃうぞぉ~?」
「しゃポ!しゃポ!しゃポ!」
楽しそうに笑ってる。機嫌も治ったみたいだし、もう鳴かないだろ。
「たポッ!たポッ!たポッ!たポッ!」
「うるさい!」
俺は相棒を叱った。
「たポッ!たポッ!」
「うるさいって言ってるだろ!」
相棒を地面に叩き付ける。
「ずっと我慢してたがな、もう限界だ!お前なんて車にでも轢かれりゃ良いんだよ!」
私は、たポたポ鳴き続けるペットボトルを無視して先に進もうとした。けど、あれが僕の持ってる唯一の水分。ここで置いていけば夏の猛暑に殺されるリスクが高まる。
取りに戻った。ペットボトルは泣き止んでいる。しばらく眺めてた。拭っても拭っても止まらない俺の汗は、1つの不安に起因していた。
「もしかして、死んじまったのか・・・?」
拾い上げて、キャップを捻ってみる。
「クチチチッ」
「なんだ、元気そうじゃんか。」
私はペットを鞄に戻す。たポッ!たポッ!と鳴かないように手で圧迫してぺこぺこさせる。自分で音を鳴らしてれば気にもならない。
「よーし。じゃあ、飲ませてもらおうか。」
喉が渇いたから、飲む。ごくごくごくごくごくごくごくごくごくごく。ぷはぁっ。あれ、空になっちゃった。僕は空の容器を鞄に戻す。もう、たポッ!とは鳴かない。
「・・・死んじゃった。」
俺は次の飲み物を買いに行った。
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