昨日の朝のこと


JRが止まった。そこそこな大雨のせいだ。南から名鉄の1ー4番線へ続く階段を登りに歩いてきた人々の群れに、自分を含むバスから降りた人々が加わる朝のラッシュ時間。


傘をリュックの肩紐にひっかけて両腕をぶん振って駆け上がり改札をICでピット抜ける。今年の3月から名鉄はフリーWi-Fiの仕様を変えて特急前2両の特別車の中だけ飛ぶようになった。しかし私はそれが3号車の前側なら盗電波できることを知っている。


そしてJRユーザーの方々はそんなことを知らないから改札側に近くて、乗るのが楽な6号車とかの方はぎゅうぎゅうに詰まっていく。対して3号車は席こそ埋まっているが空いていた。


時計を見る。7時34分。電車の出発は32分。僕のデジタル仕様の時計は6分くらい早く進む。ただ壊れてる。8時45分にはむこうについてないといけない。猶予は1時間。なかなか厳しい。


寝てるうちに名古屋についた。東山は改札すら通れないからパス。桜通で今池・本山ルート。階段降りて、通路小走りで、階段降りて、左に折れて走って、カードタッチしてまた階段降りて。ちょうど電車が来たが、これはあまり喜ばしいタイミングというわけでもない。ホームに到着してから電車の尻尾側へズカズカとすすむ。 今池駅での東山線への乗り換えをより楽にするためだ。


国センで誰も降りず。丸の内、久屋でゴソッと降りる。今のうちにさらに尻尾の方へ・・・行けない。電車の連結部の入り口前が2人くらいに塞がれている。優先席の手前で足を止めて結局乗ったままの車両も3番ドアで待つことに。


切羽詰まっている危機の責任はもちろん自分に帰属する。片足踏みしないように頭の中だけで全力のストレスコントロールをしながら、アナウンスと、車内の駅一覧に注意を向ける。高岳過ぎて、車道。しゃどうじゃなくてくるまみちって読むんだよって初見で少し驚いた思い出がある。


車道って今池の前だっけ後だっけ。イライラして焦った状態では、冷静な頭が回らない。桜通線は東山線や名城線と違って電車の進行方向とか所要時間を教えてくれる車内電光掲示板は存在していない。


降りそうになるもはや一歩手前で止まった。その判断が正しいかを吟味する時間を確保する前に、扉が締まった。大丈夫だろうか。これ乗り過ごしてたらやべぇ。そんな悪寒がした。でも車内環境はそこそこ暑いからプラマイゼロ。


「つぎはー、いまいけー。いまいけー。」


アナウンスを聞いてほっとするのも束の間。実際の時刻は8時28分。乗り換えたい名城線の便は33分。一番うまい乗り換えで本山までが5分。不可能。次の便は39分。目的の講義室までは駅到着からさらに10分かかる。しかも大雨で傘差しながら走るのは危ない。かといって朝からびしょ濡れになるのは体調に対するリスクが大きすぎる。


こんなことなら名駅で証明書もらっておけば良かった。木曜1限は授業頭に出席とる授業なんだよなぁ。エスカレーターの激混みラッシュを制して改札外へ一番乗り。小走りでエスカレーター横の階段を2段飛ばし。証明写真の台を左手から背にしてさらに加速して通路を駆け抜ける。信号のない、地下の横断道路だ。車道の下を抜けると、また登りしかないエスカレーターの脇を階段ダッシュ。2人幅の階段で先行者の追い越しとすれ違い者の回避行動を並行したトリッキー階段登り。


時計をみる。すでに50分。こういう時にいつも思うのだが、人間はどれだけ早く動けるとしても、所要時間をマイナスにすることはできないのだ。いや、私の腕時計ならマイナスできる。6分前。すでに45分だ。あ、もういいや。5分くらいなら許してくれるだろ。


歩いて講義室まで行く。急がない。


教室には私以外の全員がいた。しかし、出欠はまだとっていなかったようだ。講義開始前のブレークトークのお陰で、私は出席点の減点を免れることができた。日頃の行いというか、授業態度のお陰だろうなぁ。教授に対して質問できる胆力って、大学生活を有利にすすめる裏技武器としてとても有効だ。特に日本の講義スタイルにおいてはね。海外だと質問の質も求められそうだが。


よいお年を

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