女神の子供は恋をしました

三冠食酢

第1話 女神の子供は恋をしました

「うわっ、なにこれキモ」



黒百合 早苗15歳。夜寝ようとしたらいきなり羽が生えました。

あっれぇ〜?今日レットブル飲んでないぞ?

普段飲みすぎて生えちゃったのか?

でも別にあんまり邪魔じゃないし、眠いからどうでもいいや……

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翌日

朝起きたら角も生えました。はい。それだけです……


「うわぁぁぁ↑ァァァァァァ!ギイャァァァァァァァ!」


良く考えれば昨日からおかしかった!


(やばい、昨日眠過ぎて頭おかしくなってた)


叫びを聞きつけてお母さんがすぐに駆けつけに来てくれた。


「どうしたの早苗ちゃん!」


「My mother!病院!病院に連絡して!」


「分かったわ早苗ちゃん!精神病院ね!」


「ちっがぁっぅう!なんでだよ!これ見ろこれ!どう見てもおかしいだろ!」


「う〜ん、確かに」


はぁ〜私も相変わらずだが母も大概だな。

この親にして私ありって感じ。

そんなことを考えているうちに母は私の体を一通見た後、何かにきずいたように父を呼び嬉しそうに父に話しかけた。


「あなた!わたし達の子がついに反逆者になったちゃったわよ!」


私は一瞬何を言ってるいるか分からなくなった。

だ、反逆者?は?こいつは何を言っているんだ。病院に連れていかなければいけないのはこっちだったか。

てゆうかなんでお父さんは喜んでんだよ。


「…………は?ちょ、ちょっとまって反逆者ってどうゆうこと?びょ、病院は?」


「大丈夫。そのことについてはすぐに話すから着いてきなさい」


父にそう言われリビングに連れていかれテーブルで家族での話し合いが始まった。

来いと言われたからきたがこの夫婦たちは何か知っているのか?


「それで何が聞きたい?まぁ恐らくその羽と角に着いてのことだろうが」


「そうだよ!どうなってんの私のからだ?」


「私たちはね、神なんだよ。だから」


おっとー、これは本格的に不味くなってきたぞ。

薬にでも手を出したか?それか私の体がおかしくなったから頭でもおかしくなったのか?

恐らく前者だろう。こいつらならやりかねん

よし、警察に電話しよう。


「ちょっとちょっと早苗!警察にかけないでお願いだから!話聞いて!はいこれ!」


父はそういうと頭から角を生やし空中に浮き始めた。

首にはジャラジャラとネックレスをつけ、全ての指にアクセサリーをつけている。

私は持っていたスマホを落とし唖然とした。誰だってこんなものを見せられればそうなるだろう。


「これで信じて貰えた?」


「……うん」


こんなものを見せられれば信じるしかないだろう

普段の父からは考えられない風貌に変わった。

なんだろう。なんかあんまりかっこよくない。

なんでだろ?………あっ、あ〜、あれだ、ドンキの前にいるヤンキーだ!

うわ〜、なんか嫌だなー


「なんか今お父さん傷ついた気がするけどほおっておこう。それで母さんがこんな感じだ」


そう父が母に指をさしたが母は変わってない気がする。でも、なんか後ろから後光が差してる。


「あ〜、そっか。そんな変わんないよなー。てな感じでそう言うことだ。これからよろしくな!はい!解散!」


「まだァァァ!違うでしょうが!なんでもっと気になること教えんだよ!」


「なんだ?お母さんがお父さんに惚れた話か?」


それはそれで気になるが違う!


「神!神ってどうゆうこと!」


「あ〜それ気になっちゃう?」


「気になるだろふつっ!」


散らばっていた父たちがもう一回席に話し始めた。


「私たちわね、もともと人より上の存在だったんだよ。父さんが上の頃はマモン、母さんがテミスって言う名前だったんだ」


聞いたことがある。テミス、法の女神。ギリシャ神話に出てくる女神で、天の神ウラノスと大地の女神ガイアとの間に生まれた娘。

マモン、七つの大罪、強欲の悪魔。

あれ?


「ちょっとまって」


「どうしたの早苗ちゃん?」


「その話がホントならお母さんほかの女神たち裏切ったんじゃないの?」


「そうなのよー、お母さん堕ちちゃった♡」


ヴォェ、キッモ。やばい吐きそうになった。

父に寄り添いながらそういうことを言う母は何度も見てきたが、今父の格好を見ると拒否反応が出て仕方がない。

何をしているんだこいつは?馬鹿だろ生粋の馬鹿だ。

こんなんだから父さんに堕とされるんだろ。

全て納得がいった。

だから私の事反逆者って言われたのか


「はぁ〜、もういい。それでこれからどうすればいいの?これで学校行けないんだけど」


「うーん、どうするか。まずはそれの直し方を教えるか。まずは力を込めろ。その後に脱力だ。そうしたら直るぞ」


なんとも雑だな。う○この仕方の説明にしか聞こえんがまあやってみるか

力を込めて脱力!

そうすると羽は空中へと消えていき、角も引っ込んだ。


「できたか。ならば次は火を出してみるか?」


「へっ?出せるの?」


「あぁ。でもここででやっちゃったら家燃えちゃうから地獄に行こう!」


父はそう言うと指を鳴らした。鳴らした途端急に蒸し暑くなりエアコンをつけた。だがいっこうに涼しくならない。冬だというのに。外の方が涼しいと思い出てみるとそこはまさに地獄という場所だった。辺り一体は燃えており人が来るような場所ではないとすぐにわかった。


「なに…これ…?」


「ここが地獄だ。お父さんの故郷だぞ」


「家とか大丈夫なの?」


「あぁ、母さんが結界貼ってるからな。燃えはせん」


もうわけが分からない。


「どうやってここ来たの?」


「指を鳴らしたらここに来れるんだ。ワープってやつだワープ。早苗でもできると思うぞ」


へぇ〜、今度やってみよ

って違う。それより火の出し方だ


「んで?どうやって火出すの?」


「こうブワッでボーンんてかんじ。いくぞー!」


そう言うと父はてから塊の炎を出し近くにあった岩に向かってボールを投げるように投げた。

父が投げた炎は空間を歪め岩を貫通しどこか遠くに行ってしまった。恐らく音速は超えてたであろう。

規格外。

化け物と言っても過言ではない。


「よし、やってみろ!」


「できるかぁ!」


「まぁいいからやってみなさい」


「も〜わかったよ〜。えい!」


手に力を込めて一点に集中し保つ。そうすると、父ほどではないが小さい炎が出てき、前へと飛んでいった。

威力はないができた喜びで舞い上がってしまった。


「やったーできた!」


「おー、センスいいな!」


「でしょでしょ!でもなんでこんなこと教えたの?」


「ゆっていなかったか?一人な母さんの部下だったやつが襲ってくるんだよ。これがまたウザくてね」


「ちょっとまって、私襲われるの?あたしなんもしてなくない?」


「そらぁお前反逆者だしそらぁ襲われるだろ。ちなみに母さんも時々襲われてるぞ!」


そうだ、忘れてた私反逆者だった。

これ程両親を憎んだことがあるだろうか。

こんな炎でどう戦えと言うのだろうか。


「ちなみにこんなことも出来るぞ!」


父は呑気にそう言うと炎の剣を作った。

嬉しそうに見せる父。なんか全部吹っ飛んだわ。

早苗は上には上がいるもんだと分かった。

早苗は部屋に帰り叫んだ。


「クソがァァァ!」


「早苗ちゃん、そう言う汚い言葉はメッよ!早苗ちゃん怒ったら怖いんだから〜。それより早苗ちゃん学校大丈夫なの?大好きなアサヒちゃんが待ってるわよ」


「ス、好きじゃない!」


あっ、忘れてた。

朝から色々あったんだ。学校ぐらい忘れるだろ

早苗は準備をし急いで出ようとしたら母に呼びよめられた。


「早苗ちゃん、これ持っておきなさい」


そう母から言われ手に渡されたものを見ると裁判官などが持っているガベルを渡された。


「なにこれ?」


「何かあったらこれ握りなさい」


「分かったー」


早苗は渡されたガベルをカバンの中にしまった。


「早苗ちゃん大丈夫かしらぁ?」


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皆さんどうもこんにちは時宗 アサヒです。

これといって何も無い15歳の高校生です。

今は登校中ですね。this isぼっち。

私には友達という友達がいません。

いや、いるにはいるのですがまぁ少ないというか。


「ぅオラアサヒ!なにしてんの?」


すいません。さっきのは嘘です友達はいました。友達というのかは分かりませんが私の大事な幼なじみです。

………あ〜、このキャラやめよ。1人になるとちょっとおかしくなるんだよなー

今叩いて来たのは早苗。黒百合 早苗

うーん説明?説明は馬鹿だな。以上

うるさいしうるさいしうるさいが会ったら何故か胸が痛くなる。


「早くいくぞー」


「小町は?」


「先行っといてだとよ。てゆうかずいぶん遅かったな、なんかあったのか?」


「ちょっとね色々と………翼が生えたの………これ」


早苗はそう言うと手を広げ背中から翼を生やした。


「ん?えぇぇぇぇ!」


「まぁそうゆう反応なるよね……なんか安心した」


おいちょっとどうなってんの!?目がおかしくなったのか?

いやちょっと触ってみよ。実態はある。重さもある。

紛れもなく本物と言える。


「お前これどうしたんだよ!」


「んー、なんか親が神だった。聞いたことあるでしょ神?」


そう彼女は淡々と話すが全くもって頭に入ってこない。

誰だってそうだ。こんなものを見せられれば頭だってオーバーヒートする。だがラノベなどを読んでいたからこうゆうのには結構興奮している自分がいた。


「おーいアサヒくーん大丈夫か?」


「っあ、あぁ大丈夫だ。それよりお前その体大丈夫なのか?」


「大丈夫だよー、むしろ楽しいし!ほら、炎出せるの、すごいでしょ!」


炎も出せるのか。すげーな

そんなことを話しているうちに学校に着いた。

来る途中色々あったせいで遅刻したがいろいろ知れてラッキーだ。



授業が始まってもさっきのことで頭がいっぱいだった。普段味わえない非日常感。

そんなことを考えているうちに午前の授業が終わった。

早苗はほかの女子と話している。余計なことを言わなければいいが。


「ぉい!おい!アサヒ!今日どうした?彼女でもできたのか?早苗か?早苗なのか?!」


話しかけてきたのは友達の真守だった。こいつは昔からの友人だ。


「ち、ちげーよ、ちょっと朝色々あってな」


「まあ、なんかあれば相談しろよ!」


本当にいい友達だ。だが相談は出来ない。万が一のことを考えたら言わない方が得策だからだ。

学校にいる間はこのことばかりを考えてしまい、学校が終わってしまった。


「アサヒー、帰ろー」


「分かった、すぐに行く!」


急いで帰る準備をし早苗と一緒に帰った。

特にこれと言って早苗のことは喋らなかった。いろいろ今日があるが本人を傷つけてしまうかもしれないからだ。

だからたわいもない話をしながら帰っていると俺たちの目の前に男が空から降ってき立ち塞がった


「おふた方、どっちが裏切り者ですか?」


男は剣を向けながら俺たちにそう言い放った。

その剣からは異様な不運気を漂わせ、確実な殺意を向けてきた。


「おい、おっさん!なんの冗談だ……警察に通報するぞ!」


「やめろ早苗、関わるな!何かヤバい、逃げるぞ!」


「わかってるよ!でも逃げれると思うの?あの目、確実になにかしてくるわよ」


全身の穴という穴から汗が吹き出してくる。

逃げたいが男の鋭い視線からは逃げれそうにない。


「別に警察にでもなんにでも助けを求めてもいいですよ。どうせ人間には私のことは見えませんし。」


「あんた天使?」


「そうですよ。分かるということはあなたが反逆者ですね」


「だったら何よ、私を殺そうっての?せめて裁判ぐらいしてくれてもいいんじゃない?いきなり死刑ってのはお母さんが黙ってないんだけど」


「おい!これ何を話してるんだよ!裏切り者だのわけがわからんぞ!」


「黙って!」


何も話せなくなってしまった。全くもって話が見えてこない。早苗に関係ある事だと思うがそれ以外は分からない。


「あなたの母親がどんな人か知りませんがどうでもいいことで……」


「黒百合 幸子……テミスって言った方がいいかしら」


早苗はそう言うと羽を出した。


「その羽は……!」


それ見た途端男の動きが止まった。上を向き何かを

考えるように目を閉じ、泣き始めた。


「ちょっとあんた大丈夫?」


「いえ……大丈夫です……なら、なおさら殺さねば!」



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※早苗視点



「なんであんたは私も母さんのこともを襲ってくるのよ!あんた母さんの部下どったんでしょ!」


私はなぜこの天使がこんにも襲ってくるのか考えた。

こいつは暇なのかと。恐らく違うだろう

ならなぜこんなにも襲ってくるんだ?


「それはテミス様が禁忌を犯したからです……私だって……私だってしたくないですよこんなこと!でも……これが決まりなんですよ……」


禁忌ってなんだ?母さんが裏切ったからか?

確かに禁忌っちゃっ禁忌だけどそんなずっと命取りに来るか?


「禁忌って何よ!?」


「テミス様は聡明なお方だった………罪を裁き悪を許さない方だ。だがある日テミス様は一つ愚かなことをしてしまった、それは下界に自らの血を落としたのです。それがバレたテミス様は下界へと降りられた」


「それが何よ!」


「神の血と言いうのは人間にとって果実です……それは人に力を与え神にもなり得るの力を得ます。この世界はうまく回っています……それを崩すような奴は神であっても滅ぼす、そう上で決まりました……それだけの事です」


あっの馬鹿、何やってんのだよ!

そら狙われても文句言われねぇよ!


「それ私関係なくない?」


「裁くのは私です。私が判断し殺すと判断しました。テミスの子供というだけで罪なのです!なので死んでください!」


男はそう言うと地面がえぐれる程の踏み込みでこちらに向かってきた。

一瞬にしてこちらの目の前に立ち塞がり、剣を振り下ろす。


(やばい!避けれない……)


そう思った瞬間、目の前にアサヒが間に入り込んだ。

そこから痛みが走り数秒意識が無くなった。


「愚かなこと人間が……なぜそのようなことを!」


その言葉を聞き起き上がると右の翼の感覚がなかった。

翼は床に落ちており、綺麗に切れていた。

だが早苗にとってそんなことはどうでもよかった。

早苗の目には倒れているアサヒしか映らなかった。

右手がなくなっている。恐らく私を庇った時と同時に切られたのだろう。


「次は殺します」


その言葉を言った瞬間男は震えた。

私は何を言ったのかと。私は何を目覚めさせてしまったのかと。恐怖などとうに忘れたものだと思っていた。


「これは!この感覚はマモン!だが何故だ!?マモンは15年前に消え死んだはずじゃ!」


「マモンは私の父さんだ」


男は絶句した。

死んだと思われていたマモンが生きているのかと。

しかもそれがテミスの父と言うことに。

今にも逃げ出したい足を抑え必死に叫んだ。


「うっ!嘘だ!そんなこと……!」


「ごちゃごちゃうるせぇなぁ!人傷つけておいて帰れると思うなよ」


「それはそいつが入り込んだから!」


「アホかてめぇは、こっちの世界は人を傷つけたら暴行罪、ましてや人を切ろうなんて奴は殺人未遂だ」


「そ、それがなんだ!私には関係ない!警察は私を逮捕出来ない!」


「だからだ。やり直しだ、私が裁いてやる」


早苗はそう言うと母親から貰ったガベルをカバンから取り出した。

それを地面に叩き音を響かせた。

その音は早苗にとっての希望の音であり、男にとっての絶望の音だった。


「なぜ……ここに!」


男が見た光景は天使には関わりがないであろう場所。

地獄にいた。


「はぁっ、はっ!こんなところに連れてきてどうする!その人間も死ぬぞ!」


男の言った通り地獄は人が住めるような場所では無い。人が数分もいれば体が燃え灰になる。

だが早苗は笑った。その言葉を聞いても。


「大丈夫……すぐに終わるから!」


狂ったように笑いながら男に向けて言う。

自分でもなぜこんなにキレているか分からない。

親を殺すと言われたからか?違う

殺されそうになってるからか?違う

私は多分アサヒのことが好きなのだろう。

だから殺す!


「判決、死刑 断罪だ!」


そう言った瞬間男は這いつくばりかたまった。

何かに押さえつけられたようにみにくく這いつくばっている。


男へとだんだん近ずきながら父が作っていた炎の剣を思い出した。

作ろうと思ったら結構簡単に作れた。

男がなにか喚いているがどうでもいい。


「さようなら」


そう言うと早苗は男の首をはねた。

自分でもびっくりするほど何も思わない。

殺しなど初めてだと言うのに。


「は〜 、止血して帰ろ、つかれた」


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「早苗ちゃんどうしたの!?」


アサヒ連れて家に帰ると家にいた母に驚かれた。

興奮して忘れていたが私たち結構重症だった。

私は今まであったことを母にはなした。


「渡したもの役に立って良かったわ〜。でも殺しちゃったの?ダメよ〜殺しちゃ」


そう母は険しい顔で言った。

なんかムカついた。楽に終わったがこっちは死にかけたんだ。こうするしか私たちは生き残れなかったと思う。


「殺されかけたんだよ!こうするしかないでしょ!」


「まぁそうなんだけどね〜 天使ってねめんどくさいのよ〜。1人倒したらどんどん出てくるから〜 だから私は殺さなかったのよ〜」


「私戦えるよ!大丈夫だって」


彼女は大きな声で言った。あの力があれば大抵は何とかなるはずだと思った。


「アサヒちゃんはどうするつもり?」


早苗はそのことを忘れていた。力があっても今回のようなことがあるかもしれない、もっと酷いことになるかもしれない。

早苗は下を向くことしか出来なくなった。


「まぁ〜今回の記憶を消して秘密に戦うってこともできるけど〜 」


「できるの?」


「できるわよ〜」


つくづく神はすごいと思った。なんでも出来るじゃねーか。


「やって!お願いします」


「分かったわ〜、椅子に座らして〜」


早苗はアサヒを椅子に座らしただ見てるだけしかしなかった。

ホントにこれだけでいいのかと。今日だけの記憶を消すだけでいいのか……


「私との記憶全部消して!」


早苗は泣きながらそう言った。

それは苦渋の決断だった。当たり前だ。私はアサヒが好きなのだから。


「いいの?アサヒちゃんはあなたの事忘れるのよ?」


「いいよ」


いいわけが無い。忘れて欲しくない。私との思い出全部、全部!覚えてて欲しい。

でも私に関わるだけで危険になるかもしれない。

そうするしかないんだ。


「分かったわ。まずは腕を治してっと。」


母が手を頭に置きそう言うと腕が治った。


「早苗ちゃんも!その翼治してあげるから来なさい」


「大丈夫……これは思い出だから!」


アサヒが守ってくれた証。これくらい残してもバチは当たらんだろう。

何かを察した母は何も言わずにアサヒの方を向いた。


「それじゃあいくわよ〜!」


━━━━━━━━━━━━━━━


いい朝だ

空は青くちょうどいい雲の量だ。


「おはようございます」


私は幼なじみだった人に挨拶をした。

もちろん変な顔をした。


「誰ですか?」


「女神よ!」


男は変な人もいるもんだなーと思った。だが懐かしい気持ちにもなった。

今日はいい天気だ


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