私の詩集

弥生ホノカ

あなたへ

あなたが言ってくれる ありがとうという言葉

小さい頃の私は思っていた

私はてんさい 私はすごい 私はかっこいい

感謝されることは それだけ嬉しいことだった。


あなたが言ってくれる がんばれという言葉

小さい頃の私は思っていた

もっとがんばる がんばるじぶんすごいでしょ

応援されることは それだけ自信がつく言葉だった。


ありがとう よろこんでもらえてよかった

ありがとう いいよ

ありがとう ぜんぜんいいよ

ありがとう これくらい大丈夫やで

ありがとう うん

ありがとう 気にしないで

ありがとうの意味が 年々変わってきた

あんなに嬉しかった言葉なのに 返事に 苛立ちが籠ることがある


がんばれ うん!

がんばれ やってみるわ

がんばれ がんばる

がんばれ 応援とかやめてェな

がんばれ うん

がんばれ    うん

がんばれという言葉に 泣きたくなるようになった

そんなに期待しないでと 私の心が泣き叫ぶ


あなたがくれる 言葉のプレゼント

よろこんでそのプレゼントを開ける私の手を

静かに刺す トゲがついた言葉たち


他に素敵な言葉がたくさんプレゼントの中にあるじゃない


あなたは言う

違うの

とげのある言葉が刺さるとね 抜けないの

いくら素敵な華のある言葉で傷を飾っても 痛みは和らがないの

ねえ わかってくれるかしら

私のためを思って言葉をプレゼントしてくれる

大好きなはずのあなたへ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る