最終回 思い出せばすぐ終わる、そりゃそうだろ?
俺は国王様と神殿長と防音魔法を使っている部屋で話をしている。
「俺は、エリーを守りたい」
「聖女はどうするんだ?」
俺の言葉を聞いた神殿長はそう問いかけてくる。
「あの女は第一王子のファルだけじゃなくてバルやジュノを魔法でおかしくして操ってるから俺がその魂に楔を打つ」
「レント様にはそれができるのですか?」
国王様が敬語を使ってくるのはなんか居心地が悪いが、気にせず話を続ける。
「できる。でも、魔法でおかしくなった人が元に戻るか知らない」
「そんな…。」
俺の言葉に絶望を顔に浮かべる王様。
「でも、多分聖女自身に魔法を使わせたら大丈夫だと思う。」
「そ、そうですか!それは何としても…」
「でも、エリーは俺のだよ?」
俺が魔力を乗せた瞳で王様を見ると、王様が俺に対して平伏をした。
「はい、愚息には聖女様が楔を打たれた後に大々的に婚約解消させ、婚約を聖女様とさせます」
「うん。そうしてくれると嬉しい、ありがとう」
俺と国王様の話を聞いていた神殿長はため息を一つ吐いていた。
それから俺は学園へと戻り、聖女を呼び出すことにした。
もちろん俺の体には魔法が効かないように対策をしてからだけど。
「レント様ぁ、お久しぶりですぅ。どうしましたかぁ?」
甘ったるい魅了魔法の匂いをさせながら聖女…いや、魔女が俺に話しかけてくる。
「いや、俺と契約してくんない?ちょっと困ってるんだ」
「契約ですかぁ?何でです?レント様ぁ、私とご飯食べに行きましょうよぉ〜」
「いや、契約してくれたらご飯に行く」
俺がそういうと、少し眉に皺を寄せたが同意してくれた。
契約の同意がされたことにより、この魔女は今後一切俺の命令がなければ、自分の意志で行動ができなくなった。
「よし、お前は魅了魔法かけた奴らの解いて来い、んでエリーの悪評全部自作自演だったって言ってこい」
俺がそういうと、光がなくなったその瞳を一度瞬かせてどこかへ消えていった。
さぁ、俺のお姫様を迎えに行こうか。
「エリー。」
俺がエリーを呼び止める。
「え?レント様?どうしてここへ?」
俺は転移魔法を使い、エリーの自室へと飛んだのでエリーはびっくりしていた。
「俺さぁ、エリーのことがすげぇ好きすぎてこの世界に来たんだって言ったらどうする?」
俺の突拍子のない言葉にさらにエリーは目を白黒させる。
「じ、冗談は…。冗談、ですのよね?」
俺があまりにも真剣な表情をしていたからか、エリーは冗談はやめてくれと言えなかったようだ。
「俺はエリーに対していつの時も嘘はついたことないぜ?」
俺が微笑みながらそう言うとエリーは顔を真っ赤にして怒り出す。
「わ、わわ、わたくしは来年には王太子妃なのですわよ!?冗談はやめてくださいましっ!」
エリーはそう言って俺に向けて扇子を向ける。
「あー、ごめん。それはどうしても無理なんだよなぁ。神の伴侶で勘弁してくんねぇ?」
「はぇ?神…とは?」
状況が飲み込めない様子のエリーに俺は近づく。
「言っただろ?俺はお前のためにこの世界に来たって」
俺は混乱してるエリーの顎を持ち上げ、そのさくらんぼのような唇にキスをする。
「なっ!レ…待って!」
「待てない。お前は俺のなの」
この後俺はエリーを連れて王様に会いにゆき、エリーは説明を聞いてぶっ倒れたし、魔女の説明をしてやったら感謝されて王様は俺たちに離宮をくれた。
俺はエリーとそこで暮らす事にした。
死んだら天に帰ってエリーと神にならないといけないから忙しいし、生きてる間は新婚期間ってことでずっと老人になっても愛し続ける予定だ。
聖女はなんか魂が二個あったっぽくて、片方には楔が付いてたけどもう片方には付いてなかったみたい。
だから魔女の力もつかえたみたい、今はエリーの代わりに王太子妃教育を受けてるみたいだ。
第一王子はエリーに劣等感持ってたらしくて、魅了にかかってた頃にいった言葉は本心だったらしい。
時期国王として王様に今回のことを話されて、色々と理解したっぽい。
きちんとエリーに謝った後に、聖女を責任取って愛し続けるって言ってたわ。
聖女のことを好きだってことはファル自身の本音だったらしい。
バルとジュノはお互いなんで聖女が好きだったのか意味がわからないと終始首を傾げてた。
まぁ、そうだよな。お前ら女好きじゃねーもんな…。
「記憶が戻る前はあんなに苦労したのに、記憶が戻ったらこんなにあっさり終わるとか…今までの大変な人生は何だったんだよ…。」
「レントが人間のことを知る良いきっかけだったんじゃないの?」
エリーが俺にニヤニヤしながらそう言ってくる。
「だってよぉー、なんか恥ずかしんだけど。俺がエリーを幸せにするってこの世界に来たのによ?記憶なくしてんだぜ?」
「わたくしはレントの記憶を見てないからわかりませんのよ」
エリーはお得意のツーンポーズをしながらそう言ってくる。
「ぜってぇ嫌だねっ!どうせ上に戻ったらエリーも見れるんだし今は忘れとけよ」
「もうっ!わたくし今気になりますのっ!」
俺は怒ってるエリーの唇にキスをする。
「わ、わたくし絆されませんことよっ!キィイ」
「あーあー叫ぶな、うるせぇ。可愛い顔が台無しだ、黙っとけ」
俺はエリーを押し倒し、もう一度優しくキスをする。
『俺はお前のことを愛してンだよ、ばーか』
終わり
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます