紫の瞳は光の未来を視るか-藤堂美佐の日記-
憧宮 響
【第一章 出会い】
Story 0. 一輪の花
教室に入った直後の一瞬を、私は忘れられはしません。
だって、あなたはとても澄んだ瞳で、私を見ていたから。
まるで、小さく、それでいてとても美しい花を見るかのように。
あぁ、と私は思いました。
今も昔も、あなたはあなたのままだから。
なぜか安心したのを覚えています。
なんでかって、私はそのことを知っていたはずだから。
あなたが変わるはずないって。
私は間違っていなかったのね。
とても嬉しかったです。
Story 1. 光射す庭
光がやわらかく射す庭。
そこで、あなたとはじめて、二人きりになりました。
本を読んでいるあなたを見つけて、私が近づいて、話しかけたのよね。
読んでいた本についてたずねる私に、あなたは照れながら、それでいて熱っぽく、内容がいかにすばらしいか、語ってくれました。
思えば、その時から、今のあなたの片鱗が見え始めていたのね。
そして私は、そのお手伝いをさせてもらいたいと思ったのです。
Story 2. 回る歯車
風の報せーというより、とある霊人の方が、あなたに大きな変化が起きたと、私に報せてくれました。
その大きく、重い使命に、さぞあなたは驚かれたことでしょう。
そして、慎重なあなたのことだから、亀のごとく、歩むことを決めたのでしょう。
でも、あなたにはいずれ、たくさんの仲間達ができるのよ。
私もその一人。
私達は身命を賭して、あなたを支えるわ。
だから、どうか、使命をあきらめないでね。
紫の瞳は光の未来を視るか-藤堂美佐の日記- 憧宮 響 @hibiki1003
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