そばにいる
蓮の花
1.0話 出会いはすぐそこに
夢をみた
なんだか暗く悲しい夢
そこにいるのは誰なのかも分からない
でも悲しさだけが伝わってきた
何故か他人事には感じられなくて
この子が幸せになるれることをただ祈った
「始まりは悲しくてもきっと君に幸せが待っているよ」って綺麗事を伝えたかったけど声には出せなくて
朝
「リオス朝よ!起きなさい!」
朝の日差しと一緒に母の声が家の中を駆け巡った
「ちょうど起きようとしてたんだよ」
そう言い時計を見て僕は一気に目が覚めた
「お母さんどうしてもっと早く起こしてくれなかったの」
母は呆れた顔で
「起こしたのに後五分を繰り返したのはどこの誰よ」
そんな言葉を聞く暇もなくすぐに外に出る準備をした。
何故こんなに急いでるかって?
今日は12歳になった僕の職業(ジョブ)の選定式だからだ。
「リオス忘れ物はないわね?」
そう言いパンを口に突っ込んできた。
「ばいびょうぶばよ(大丈夫だよ)」
そう言うと母は背中をバシッと叩き
「頑張って来なさい」
僕はパンをすぐに飲み込んで
家の扉を開けた
「行ってきます」
明るい太陽に照らされながら明るい草原を風と共に走り選定式に向かった。
途中で同じく遅刻しそうな幼なじみリリと鉢合わせた。
走りながらいつもの明るい陽気な声で
「遅刻しかけてるの?リオス!」
「お互い様だろ!早く行かないと司祭のじいさんに怒られるぞ!」
「あのおじいさん顔だけ怖いから勘弁だわ」
そう言い笑いあった
「よし!どっちが先に神殿に着けるか勝負しようよ」
「言ったな!僕は負ける気ないぞ!」
二人は全力疾走で神殿に向かった。
選定の開始の鐘が鳴ると同時に二人は神殿に到着したのだった。
「よし!私の勝ちね!」
「何言ってんだ僕の勝ちだろ!」
いがみ合っていると横から白い服を着た老人が大声をあげた。
「リオス!リリ!お前ら両方ギリギリとはいい度胸しているな?」
二人は顔を見合わせてゆっくり隣を見た
そこにはオーガの様な巨体の顔の怖い老人が顔にしわをよせていた。
「ごめんなさい」
二人声を合わせて謝った。
「全くお前らはこんな神聖な儀式の日だとゆうのに!」
そこから少し説教をされた後に二人は選定を受けることになった。
「もう!少し遅れたぐらいであんな怒んなくてもいいのにね!!」
「まぁ今回は僕達が悪いからしょうがないな」
先にリリが選定の儀式を受けるようだ
「頑張ってこいよ!」
「当たり前よ!凄い職業になってやるわよ!」
そう言って儀式の間に向かっていった。
少し儀式について説明しよう
選定の儀式とは職業(ジョブ)を神様から頂く儀式の事だ。職業の中には戦士(ウォリアー)、魔法使い(ウィザード)、暗殺者(アサシン)、魔獣使い(テイマー)、回復術士(ヒーラー)など色々あるそれぞれの職業はクラスアップすることでより強い職業になるクラスアップの為にはモンスターを倒したり修練を積んだりするとレベルが上がるとゆう仕組みだ。
レベルは最高で100あるらしいが今までの最高到達点はレベル60の人が数百年前にいたらしい。また、この世界には色々な種族の人達が過ごしている。人間、エルフ、獣人、ドワーフ、魚人族、魔人など種族によって様々だ。
昔は種族同士で争っていたが今では手を取り合ってモンスターの脅威に立ち向かっている。
この世界には神が八柱いると考えられている
生命の神、創造の神、試練の神、武闘の神、商業の神、魔法の神、癒しの神、輪廻の神だ。
モンスターは試練の神が作り出したと言われている。
そんな説明をしている間にリリが選定を終えて出てきた。
「どうだった?」
聞くとリリは嬉しそうに
「なんかブワッと光ったと思ったらウィザードの職業って言われたわ!」
「魔法使いかかっこいいじゃないか!」
リリ満面の笑みで喜んだ
「あんたも頑張ってきなさいよ!」
そう背中を押された
「もちろんだ!僕にピッタリな職業を授かってくるよ!」
そして選定の間に足を運んだ。
そこには司祭の怖い顔のじいさんが水晶の後ろにいた。
「やっと来おったか問題児め!これでようやく安心できるわい」
そう言われながら水晶の前に立った
「八柱の神よここに貴方達の子がまた一人、十二の時を経て選定を受けに参りました、どうかこの子らに神の祝福があらんことを!」
そう言うと水晶が光出した。
それと同時に僕は意識を失った。
そしてまた僕はあの時の夢をみた
だがどこからか女の人声が聞こえた
「あぁ神様誰でもいいあの子を一人にしないであげて」
それは絶え絶えしくも必死に祈る声だった
しばらくするとその夢は遠のいていき僕は司祭のじいさんに起こされた。
「何をしておる大丈夫か?」
僕は少しの間倒れていたみたいだ。
「水晶の光に目がくらんで気絶しおって情けないのぉまったく、お主の職業はテイマーじゃよ!これから仲間になるもの達と共に頑張ってゆくんじゃぞ!」
そう言われてやっと意識がはっきりした。
そして選定の間を出て待っていたリリと合流した。
「リオスどうだった選定は?」
リリは興味津々で詰め寄ってきた
「無事終わったぞ!テイマーだってよ!これから強い仲間をガンガン作るぜ!」
「テイマーかぁ〜仲間に出来たら確かにモンスターは強いもんね!」
そんな話をしながら二人は家へ向かい途中で別れた。
家へ着くと父と母が待っていた。
「おかえりリオス!」
「ただいま!」
家に入るといい匂いが鼻に入った。
「今日は母さんがリオスのためにめちゃくちゃ豪華なご飯にしてくれたぞ!」
「お肉を狩ってきたのは父さんだからね」
なんでも僕が選定に向かったと同時に母は街に買い出しに父は森に狩りに行っていたみたいだ。
「二人ともありがとう最高だよ!」
三人は笑い合いながら食事を進めた。
「さて、それでリオス選定はどうだったんだ?」
リオスは選定の儀式でテイマーになった事を伝えた。
「すごいじゃない!テイマーはあまり周りにいないから珍しいわね!」
「テイマーか!モンスターを仲間にできるなんてやるじゃないか!流石俺の息子だ!」
二人はとても喜んでいた。
食事が終わり僕は疲れて眠りについた。
少し眠りに着いて起きたらまだ真夜中だったがふと窓の外をみた、すると森の方に何か小さいものが光っていた。僕は何故か分からないがそこに行かないといけない気がして親達が起きないようにそっと家を出た。
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