拗ねて僻んで足るを知る

 昔から思ってるけど 君ら体力底なしなんですか


 学業とか仕事 日々の家事までこなしながら


 人付き合いもいとわず 交友関係広げて


 趣味にも打ち込んで めきめき上達して


 私のことなんか 簡単に追い抜いていく




 私がなけなしの体力と時間 全部注ぎ込んでも


 君らの足元にも及ばないんじゃ


 到底敵わないよね 身の程を知るよね


 可能性の大きさが あまりにも違いすぎるから


 一しか持ってない私は 十頑張っても十にしかならないけど


 五持ってる君らは 三の頑張りで十五手に入れる




 それでも私は 走ることをやめられない


 一歩ずつでも 足を引きずってでも前に進む


 周回遅れは承知の上で 走り続けるんだ


 底辺にしか見えない景色があるんだから


 そいつを描きなよと 自分に言い聞かせながら


 ねてひがんで 足るを知る


 慎ましく生きながら 分不相応な夢を見る

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