嗤わないで、笑って

 自虐という逃げ道を なくさないでおくれよ


 人の欠点を笑うのはいけない なんて


 当たり前のことを 正義ぶった顔で口にしながら


 心の中で嘲笑あざわらっているのは わかっているんだよ


 いつ私が 人のこと馬鹿にしたっていうんだよ


 私の言葉なんだから 私のことを言っているに決まっているだろうよ




 独りぼっちだって 人見知りだって いいじゃない


 独りでいるから不幸だって 決めつけないでおくれよ


 はぐれ者なりに 人生楽しんでいるんだよ




 無口だって 口下手だって いいじゃない


 黙っていたって 言いたいことは山ほどあるんだよ


 上手くしゃべれなくたって ちゃんと頭では考えているんだよ




 頼むから


 私の意思を 勝手に決めつけないでおくれよ


 お願いだから


 私の人間性を 勝手に決めつけないでおくれよ


 そうだよ 私は根暗で口下手で独りぼっちだよ


 それもいいよねって 笑っておくれよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る