第27話 王都へ再出発

なんやかんやあって解真教をミスティックの街から追い出したが、普通に疲れた。

というわけで今日はしっかりと寝ようと思う。

朝、テレビをつけてニュースを見ながらパンをかじる。

時間が来れば家を出て、自転車を走らせる。

今日は小テストの日だったが、その場で勉強しただけで再試ラインは超せた。

なんかあのゲームし始めてから記憶力もよくなっている気がする。

やっぱりこういうのがあるから脳改造説が絶えないんだろうな。

今フルダイブVRは一社しか販売してないし、不安に思う人もいるだろう。

これ、ひょっとしてパッシブスキルが現実でも発動しているのか?

いや、ないない。

ないよね?

今は昼休み、慎司は机にいるので声をかける。


「ちょっと殴ってくんない?」

「は?」

「本当に軽くでいいから。」

「そ、そうなのか?」


僕が持っているパッシブスキルの中に、スウェイがある。

回避行動にAGI補正が乗るとかそんな効果だったので、パッシブスキルが乗っているなら多少速くなるだろう。

ぱっぱっとサイドステップ、大体こんな感じか。


「よし、ばっちこーい。」

「いいんだな?行くぞ?」

「いいよー。ひと思いにうぐっ……」

「やべ、力入れすぎた。」


結論、パッシブスキルは乗ってないので単に本体性能が上がっただけでした。


☆☆☆


平和になったミスティック。

エーデラントほどじゃないが活気にあふれていて、それでいて厳かな雰囲気がある、不思議な街だ。

そんな街から王都に行くため離れる。

別に思い入れがあるわけじゃないけどね。

ボスを倒す~と過去の前は言っていたが、普通にめんどくさくなってきたのでレベル上げだけしてさくっと王都に向かうことにする。

次のエリアは陽光の草原。

馬、犬、牛が出てくる。

その次が嵐の荒野と災禍の断崖。

嵐の荒野の次は怨嗟の墓地、そして王都グロリアス。

災禍の断崖はそのまま王都だ。

名前でなんとなくわかるかもしれないが、災禍の断崖は普通にレベルが高すぎて今のレベルじゃ無理だ。

装備はそのレベルだが、プレイヤーが楽に攻略できるレベルが65~70だ。

今はちなみにレベル31。

なので嵐の荒野のルートにしようと思う。

陽光の草原のボスはでっかい馬。

あんまりうま味はない。

ちなみに陽光の草原のモンスター類はテイマーにとって定番のモンスターだ。

王都でテイマースキルを買って、ミスティックまでワープしてここに来る。

横を見れば、少し遠くに黒い馬に乗って嬉しそうに走るプレイヤーが見える。

テイマースキル、買ってみようかな。

反対側を見れば犬に頭からかまれているプレイヤーが見えた。

やっぱやめた。

なんかこういうプレイヤーの前で容赦なく切り殺すのもどうかと思ったので、衝牙で脳震盪を起こす程度にしておく。

いいことをすると気持ちがいいね。

あっという間に嵐の荒野との境目に来たので、僕はMPをアイテムで回復し、スタミナ回復を待ってから嵐の荒野へと進んだ。

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