第25話 カルト狩りに行こうよ
あの後解散し、その後数日ログインして人を集めた。
結果トリコロールさん、ブレッドとその連れ4人、その他それぞれ個人で来た人計12人で解真教を襲撃することになった。
ちなみにそのうちトリコロールさん、ブレッド、その連れ2人、個人で来た人3人が王都グロリアスを拠点にしているレベル50越えのプレイヤーだ。
これ、僕いるかな。
みんなで話し合った結果、正面から強行突破、直線で本丸的なものを叩くことに決まった。
トリコロールさん……めんどくさいな。トリコロール、ブレッドその他、僕含め全員アタッカーだから、裏から回ってとかができない。地形的にも。
と、言うわけで。
「討ち入りでーす!たのもー!」
「な!?敵だ……ぐはっ!」
無駄にいるただのローブには通常、ごつめのやつには毒染め、鎧にはスキル。
回復アイテムも持ってきたので出し惜しみはしない。
僕はジョブの処刑人によるAGI下降補正で負けてる分他の速度アタッカーに先を越されるので、前の撃ち漏らしをひたすら切り捨てる。
早々に庭園を抜け、一団は建物の中に入る。
大聖堂は大きな庭園の後ろに神殿みたいなのがある感じだ。
庭園は花畑の凄いやつ。よく見る奴だ。
大聖堂の中は案の定というべきか荒らされており、像や柱の所々が破壊されている。
「うわ、分かれ道だ。」
入ってすぐの広くなった場所から左右と前方に道が分かれている。
先の集団は大半がまっすぐ行っている。
「まっすぐ行く意味ないし、どちらにしようか…な……?」
右側だけかすかに左側よりも汚れている。
その割に瓦礫が道に転がっていない。
廊下ならば人が出入りすれば汚れるだろう。
瓦礫がないのは人が出入りするときに邪魔だからじゃないか?
「右ぃ!」
一歩、二歩、三歩目で双方の柱の陰から斧が振り下ろされる。
「幻影、空間接続」
いくら無詠唱が可能だからと言っていきなりはできないよね。
「そう思うでしょ?」
反転、横に薙げば斧を振り下ろした二人は消える。
ドロップは……ないか。
あったら殺しに行きそうだもんね。そりゃそうか。
「頭ではわかってるつもりなんだけどね。お、扉。」
ここのひとつ前にも扉はあったのだが、そっちは装飾が多すぎてめんどくさい匂いしかしなかった。
あとはボス戦だった時に探索漏れがあると悲しくなるからだ。
「お邪魔しまーす。」
「な、なんじゃ!?お前ら、わしを守れ!」
三人ぐらいが同じタイミングで一気に襲い掛かってきた。
「回転切り。なんで同じタイミングなの?」
普通に考えて一人先に行かせてそこと打ち合う間に他がやるとかのが効率よさそうなんだけど。
「んでおじいさん。あんたは解真教とやらの教徒?」
「そ、そうじゃ!ここからもう手は引くから命だけは!」
「あ、そうなんだ。教徒じゃなければ逃がそうと思ってたのに。残念ですねー。」
「……?何がしたいんじゃ!?」
一瞬怪訝な顔をした紫ローブのご老人、紫爺さんは声を荒げる。
「教徒なら仕方ないですねー。バインドチェーン。」
「くっ……!」
パチィィン
高い音を出し鎖は弾かれた。
「そういう装備もあるんだね。毒染め、衝牙。」
剣に毒をまとわせ、衝撃波を準備しておく。
「やっぱやめた!お前は殺さない方がお金貰えそう。」
ここが単なる異世界だったなら足でも切り落として傷口でも焼けば行動不能にできるのだが、ここだとどの場所でもHPが減ってしまうので死ぬ。
突如、
ドガァァァァァァァァン
ガラガラガラ
ガシャァァン
大きな音の後、何かが転げ落ちる音が鳴る。
「ふは!粋がれるのもこれまでじゃ!」
「腹立つな。殺そ。」
ぶっちゃけてしまえばストーリーなんてどうでもいい。
解真教がどうとか世界がどうとかは知ったこっちゃない。
「はいお疲れさん。」
ドロップアイテムは例の気味の悪い数珠。
普通に割って窓の外を見れば、
「あー……ドラゴンかぁ。早くない?」
学校の体育館が埋まりそうなほどの大きさの黒いドラゴンが居た。
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