片翼の鳳蝶─ Right side ─

山田

#1

 捻た性格の貴方だから、きっと私を恨んでいるのでしょう?


 最初で最後のウエディングドレスに袖を通した私は、私と性格を鏡合わせにした様な愛しい貴方を思い浮かべる。


 ──別れた女の結婚式なんて、来たくもないでしょうに……。


 本当なら隣を歩くはずだった貴方に黙って結婚式の招待状を送りつけた私は、片耳だけが手元に残るラブラドライトのイヤリングを握り締めて、「最低……」と自嘲した。

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