リオンの神話
S
存在しない記憶
始まりの物語
ビッグバンが起こったと、同時に7人の神々が生まれた。
【巨神・バルハラは、様々な物質を創造する力を持っていた。|彼は自らの力を駆使し、星々や惑星、そして生命体が生息する土地を生み出した、その腕の大きさは、ただの宇宙を超えるにとどまらず、降り下ろす一振りで幾千の宇宙が崩壊してしまうほどであった。】
【龍神・ロアは、概念を生み出す力を持っていた。彼は思考を通じて、時間や空間を重力を生み出した彼の存在は宇宙を巻き込むだけでなく、何重にも重なるほどの膨大な大きさを持ち合わせていた。その巨大な存在感は、想像を絶するほどの圧倒的な存在感を放ち、周囲の全てを圧倒していた。】
【霊神・ティリアは、生物を創造する力を持っていた。彼女は芸術的な手腕で、星に生息する植物や動物たちを創り出した。彼はその実体が何者であるか確かめることは不可能であり、視覚による目撃も触覚による接触もできない。しかし、その存在感は宇宙を揉みくちゃにするほどの驚異的な巨大さを誇っている。】
【宇宙神・ギアスは、宇宙を創造する力を持っていた。彼は星座や銀河を形成するとともに、太陽系を構成する惑星たちをも生み出した。彼は、身長や体格は平凡な範疇に留まるものの、他の神々をも圧倒する力を有していた】
【総神・ヴェルディアは、物理的な法則を生み出す力を持っていた。彼は宇宙におけるすべての出来事に法則を与え、自然界の秩序を作り上げた。彼はまさに、時計そのものといえる存在だ。中心には、数千もの小さな時計が鮮やかに連なっており、その中心の時計の針が一歩一歩動くたびに、新たな法則が生み出されていった】
【心神・アイは、感情を生み出す力を持っていた。彼女は愛や喜び、憎しみや悲しみなど、人々が抱くあらゆる感情を生み出した。彼の姿は、まるで美の象徴のようであった。彼の足取りは軽やかで、身体は美しく引き締まっていた。顔立ちも整っており、深みのある瞳が魅力的であった。彼が歩く姿は、まるで舞うように優雅であり、その美しさに見惚れてしまうほどであった。 】
【創造神・フィアルは、数多くの世界を創造する力を持っていた。彼は多彩な景色や文化を持つ異なる世界を生み出し、多様な生命体が生息する環境を作り上げた|彼は、まるで宇宙そのものを包み込むような存在感を示す星のようだ。その光輝は、宇宙の闇を照らし、あらゆるものを照らし出す。彼は宇宙よりも大きく、その存在感は宇宙そのものを圧倒していた】
全にして個である彼らは協力し自身が理想とする世界を作り上げようとした。その過程で、何百もの宇宙が犠牲となり、何十億もの命が失われた。彼らは、理想の星を作り上げるために、あらゆる手段を尽くした。その結果、壮大な宇宙の創造が成し遂げら無かった・・・その背後には悲惨な犠牲が隠されていた。
彼はいつもの通り宇宙を想像しようと力を使う途端に「何か」が現れた。顔は見えない白いフードに身を包まれている顔 。
白髪である事は分かる。七神は全ての宇宙を理解している故に理解出来ないものなどない、だからこそ、その「何か」は異様だ。何も見えない輪郭がぼやける
「宇宙は泣いている、星は悲しんでいる。人は恐れている神の怒りに、人は憤怒している神の悪行に、何故このような業をする」
「何か」は七神に臆する事無く言い放つ。七神は無礼な態度に苛立ちを募らせる。
「何故?そんなの簡単だ失敗作だからだ不要な物は要らない我々は神だ、神は完璧なんだ不要な者は全て排除する。そして我々は作り上げる、その過程で何百億、何千億の種族が犠牲になろうと構わんのだ。作ればいいまた」
七神取っては概念も法則も種族も星も宇宙もその辺に落ちているゴミと変わらない。作り上げればいいのに完璧なる法則、概念、種族、彼らが求めいるのは「完璧」だ。
相反する思考、「何か」は怒りを見せた。
「なら私は君を止めないといけない。私の世界に不純物は不要だ。」
「お前の世界?いや、我々の世界だ」
大規模な戦争が起きた大規模な戦争は、宇宙そのものを数え切れないほどに壊滅させた。そこに存在する生物や概念、そして万里も、法則も崩壊していく。
星々は焼け落ち銀河は崩れ落ちる。そして何も無くなる何も無い空間になる。
そこに立っているのは「何か」だった。彼の足元には七神が転がっている。
何故?我々が負ける理解など出来ない我々は完璧なる存在だ、死の概念すら存在しない、いや作り与える方だそれなのに他の七神は死んでいる。
思考速度は宇宙が生成させる前に無限の速度性を持ち思考は加速する。やがて答えがたどり着く、
目の前に立つ「何か」はビックバンが始まる前に、混沌が始まる前に何も無い空間が出来るまでに何かで「何か」が存在していたのだと。
「何故、何故邪魔をする我々は理想の世界を作りあげようとしただけだ。過程はどうあれ我々が作りあげた星は必ず安寧を持って暮らせる、どんな犠牲を払おうが最後に笑えればいいのではないか、何故邪魔をする」
宇宙神:ギアスの目には涙が浮かび上がってくる、その瞳には無念や悲しみが広がっている。
「どんな理由であれ君達の行為は目を潰れるものでは無い。君達より作り出された種族は死間際涙を浮かべる、愛する人も居ただろう、まだ幼い子供も君達が知らない世界で物語築いていた。完璧な世界なんて誰一人作れない。」
「嘘をつくな・・・お前なら作れるだろう。我々の戦う際も能力を使う事は無かった、能力を使えば我々なんて敵では無かった。我は理解出来ない、何故力を使わない?教えてくれ楽しかったのか?我々が作り上げようとする世界を嘲笑っていたのか?」
ギアスは言葉と共に雫がこぼれ落ちる。自分の情けなさ苦楽を共にした七神も息をしてはいない。生命活動を停止させていた。
その時ギアスはほんの僅かであるが「何か」の顔を見た、
彼は少し微笑んでいたその笑顔は全てを包み込むような柔らかな優しいがあり、その裏には七神ですら計り知れない悲しみが存在していた。
(そうか・・・お前は全てを試したのか)
自分が完璧とする世界、既に「何か」は試していた。何度も何度も完璧な世界を作った。
そこには完璧なる世界が築かれていた。誰もが幸福を手に入れ、笑顔が絶えることがなかった。しかし、その幸福は虚無に満ちていた。皆が喜怒哀楽を失い、感情が欠如していた。笑顔しかない世界。生活は似たようなもので、何事も変化や驚きがなく、退屈であった。それが完璧な世界とは呼べるものなのだろうか。神に対する忠誠心も何かもかもが自分の思い通りに動く世界、
・・・退屈。「何か」の脳裏には常に二文字の言葉が浮かんでいた。
「何か」はもう1つの世界を見た、それは自分が失敗作と罵り見捨て居た国だった。
「星」と呼ばれる場所は、失敗作として蔑まれ、暴力や戦争といった悲惨な行為が日常茶飯事となっていた。しかしそこには、完璧さにはないけれど、何か重要なものが確かに存在していた。
それぞれの人々には、個々のドラマがあり、残酷さと美しさが同居していた。彼らは喜怒哀楽を経験し、時には極限まで追い詰められ、それでも希望を捨てることなく生き延びていた。
友情や愛・・・驚いたのだ「何か」が現れても彼らは自分の仲間も愛人を優先した、例えこの命に変えようとも刃を向ける姿勢に感銘を向けた。「何か」は知りたくなった「愛情」を「何か」は経験してみたかった「友情」を共と言える存在を、そして「何か」は与えた「自由」を。
「完璧なんて作る必要は無い、完璧など作れないんだ私も君達も理想が高くなれば成程神は求める完璧を求めても更に完璧を求めたくなる。・・・そんな必要は無い、見たくないか?子供達の成長を苦労し悲しみ喜び知恵を絞り共存し時には戦う物語を、スタートは何回でも出来る。私達で始めようじゃないか物語を」
ギアスは涙をこぼした、私が求めていたのはもう既に存在していた。何故完璧を求めたのは分からなかった自分が究極の存在だからか?否自分は完璧では無いそれを押し付けようとした。
自分の私利私欲で数多の世界を犠牲にした数え切れない命を奪った。自分の兄弟を殺してしまった。背負いきれない罪、罪悪感に推し潰れそうになる。
「我は・・・我のしたことは全て無駄だったのか」
「そんなことは無い、私は君達から教えてもらった友情を。君の罪は全て私は消しさろう。」
「何か」は手を翳すギアスは眩い光に包まれた。「何か」は感動していた彼らは戦いに一方的に蹂躙されているのに尚兄弟を見捨てる事はなかった、それどころかギアスを庇おうと命を懸けてきた。それは「何か」には存在しない確かな愛があった。
ギアスは消える、七神も同じように消えた。宇宙何一つない。
「作ろうでは無いか!私が理想の世界、君達の理想の世界を!」
「何か」の手には彼の手には宇宙をも存在させ得るような圧倒的なエネルギーが宿っていた。その力は、無限の可能性を秘めており、宇宙の果てまでも届くかのように輝いていた。その手が触れるものは、一瞬にしてその力に包まれ、全てを支配するかのように見えた。その様子は、まるで神のようにさえ見えた。 いや神すら超えた「何か」だ。
そしてビックバンが起きた・・・その同時に宇宙が作り上げられ数々の星が作り上げられた。宇宙の中心には他の星を圧倒するエネルギーの塊のような存在があった。
たった一つの世界、同一世界は認めれなく唯一無為の世界。
星の名は「コア」
世界の中心となる「世界の意志」が生まれた。意思は何でも願い事を叶えるとなる。
同時に全てのエネルギーの始まりである「マナエネルギー」が生まれたのだ。
世界の中心には時間、空間、重量、法則、概念、物質、感情、宿る。そして世界は原初の時代に到達した──。
♢♢♢
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