不思議なモノに慣れきった見える私の日常
夜見 遊
第1話 見える私の日常
私の住んでいるこの街は実家である由緒正しい神社や古いお寺や、言い伝えのよくある山や川などがある色んな村が合併で一つの大きな街になり、不意に開発で交通の便が良くなって人口が増えたタイプなので歩くだけで色々な「モノ」に出会う。
幼い頃からそんな「モノ」が見えた私は、色々な経験を経てすっかりその摩訶不思議な「モノ」達にがいる日常に慣れてしまった。
大学のレポートを書くために居座っているコーヒーショップの店舗の外から見える街の大通り。席から見える街の大通り。私の目にはこう見えている。
電話の向こうに怒鳴る人の後ろには泣きながら謝り続けている女性の影。喋るおばさん二人組の腕にはそれぞれに口がびっしりと生えている。彼氏と腕を組んでいる女性の髪の毛は男の首に巻きついている。歩道のマンホールは誰も気が付かない隙間が開いて、目が覗いている。そして、誰も気が付かない。普通の顔をして歩いている。
今日も街は平和だ。そしていつもの光景から目を逸らし、私はカフェラテを飲み干してレポートと睨めっこをする。今は締切の方が怖い。
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