大阪怪物

ako

第1話 始まりの悲劇

見た目は人だが、中身は別物。人を喰い、人を支配する。それらを怪物と呼ぶ。47都道府県の中で最も怪物被害数が多いのが大阪府である。



テレビで朝のニュースの放送が流れている。


「最近、天王寺区の怪物被害数が増えてるね。」


とテレビ見ながら言う。高山咲良だ。19歳であり、高山赤穂の姉である。センター分けしており、もみあげもしており、口の真ん中の長さまでしている髪型で、明るくて優しい人だ。洋室の扉から誰かが扉を開ける音がした。


「おはよう。姉さん。」


寝ぐせを付きながら言う。高山赤穂だ。黒髪の高校2年生であり、大人しい人であるが、学校のテストでクラスでは5位を取っており、優等生である。趣味は撮り鉄だが、他の人がバレてしまったら終わりなので、趣味は隠している。


「おはよ。寝ぐせえぐいじゃん。」


咲良が笑顔しながら言う。


「ふぁ~」

「赤穂。最近ここら辺で怪物被害が多いから気を付けた方がいいよ。」

「うん。姉さんも気を付けて。」

「私は大丈夫だよ。今日は外出てないし。それより赤穂、早くしないと遅刻しちゃうぞ。」

「あ!やば!」


すぐに出る準備をし、パンは早く食べ、食べ終わった後すぐに歯を磨き、制服を着て、ネクタイも付け、学校のカバンを持ち、


「行ってきます。」

「いってらっしゃい。」


咲良は明るい笑顔で言い、赤穂は家を出た。学校は着いた頃は遅刻はなんとか免れた。2年20組の教室に入り、椅子に座る。数分後、担任の先生が来た。


「君ら、なんでこんな空気になったか、分かるか?」


なんかやらかしたのかな、このクラスと赤穂は思っており


「お前らな、テストの平均点どないなっとうねん!」


先生は教卓の足を蹴り、怒っていた。やっぱりかーと赤穂は思っていた。赤穂のクラスは成績が悪く、少し荒れたクラスだ。数十分ぐらい先生は怒鳴りをしていた。今日は土曜日なので3限までの授業がある。授業が終わり、赤穂は廊下で少しため息していた。


「なにため息してるんだよ。高山。」


一人の生徒が赤穂に声をかけた。


「あっ、徳山。」


声を掛けられたのは、徳山徳之助だ。明るい人であり、成績は良い成績をとっており、彼も優等生だ。


「なんだよその顔。先生に怒られたって仕方ないよ。」


少し笑いながら徳山は言った。


「そうだね。」


苦笑いで赤穂は言った。


「あ、そうだ!今日暇?」

「うん。暇だけど?」

「じゃあ、ショッピングモールについてきてほしい。いいかな?」

「うん。いいよ。」


赤穂は少し笑顔で言った。


「ありがとう。」


徳山は笑顔で言った。

数十分後、天王寺駅に着き、あべのキューズモールに向かって歩いた。電化製品の店に行き、カメラのレンズを買った。喫茶店に向かって歩き、赤穂は嬉しい雰囲気だった。


「危なかった。このレンズで最後だったわ!」

「お、おう。そうか。」


徳山は少し引いてた。


「なあ…怪物駆逐隊って知ってる?」

「聞いたことはあるけど、知らないな。」


赤穂は少し分からない顔をした。


「怪物駆逐隊は怪物を全滅しようとする主義。もちろん怪物も殺すけど、人間にも協力者の場合は、本部に連行され、殺されるそうだぜ。」

「まじかよ…」


赤穂は少し引いた。怪物駆逐隊は1982年に設立し、誰が設立したのかは不明である。武器は日本刀で使っており、怪物が全滅するまで闘っている。総員は1万人である。怪物駆逐隊の中で一番上なのが代表であり、副代表、代理代表、準代理の順となっている。怪物駆逐隊は謎だらけであり、世間からは謎多き組織と言われている。


「でも、代表はかなり美人らしいぜ。」

「興味ないよ。美人とか、女子系とかは。」

「大学は決まったの?」

「神戸か京都の国公立大学で行くよ。」


徳山は少し笑い


「なに笑ってるんだよ。こっちは真剣なんだけど。」

「いやお前、京大行ったら変な人になるんじゃないのかなと思って。」

「なるか!」


赤穂はツッコミしながら言った。ショッピングモールに出ようとする時、コスプレみたいな人が歩いていた。センター分けしており、もみあげもしており、あご下の長さまでしている女性だ。まだ10月上旬なのに速すぎる。


「てかさ、徳山。」

「なに?」

「怪物駆逐隊の代表は美人とか言ってるけど、本当はブサイクだろ。」


赤穂が言った同時にコスプレみたいな女性とすれちがう。赤穂は立ち止まった。しかし女性は立ち止まらず、フードコートに向かって歩いていた。


(まだハロウィンは早いのに、なんでコスプレしてるんだろう。)


赤穂はそう思った。数十分後、喫茶店に着き、カウンター席に座った。テーブル席はいっぱいであり、店内は賑やかだ。


「徳山。歴史のテスト、何点だった?」

「80点だけど、どうせお前一位だろ。」

「うん。今日も100点だった。」

「お前化け物だろ。」


赤穂は歴史だけ1位をとっており、今年には歴史検定を受ける予定だ。赤穂の好きな歴史人物は小林一三だ。


「歴史を1位とっても、あんまり満足しないんだ。」

「なんでだよ。」

「英語か…単語覚えるの難しいんだな。」


赤穂は唯一苦手な科目は、英語であり、単語を覚えるのが苦手なのだ。赤穂はメロンソーダ―を飲む。カウンターの上からテレビが流れる。


「今日、阿倍野区と天王寺区で住民が怪物に襲われる事件が発生しました。阿倍野区では20代の女性が軽いけがをし、天王寺区では10代の男性が死亡が確認されました。」

「最近この地域多いな。」


テレビを見ながら徳山は言った。赤穂はメロンソーダーを飲み終わったあと言い始める。


「今日は早めに帰ろうか。」

「そうだな。」


喫茶店を出て歩いて数分後、天王寺駅に着き、二人とも改札を入り、手を振り


「じゃあな。赤穂。」

「じゃあね。徳山。」


徳山は18番線のホームに向かった。赤穂は11番線のホームに行き、普通電車に帰った。数十分後、自宅に着き、ドアの鍵を入れ、ロックが解除し、ドアを開く。


「ただいま。」


赤穂が言うと、咲良がこちらに向かって歩く。


「お帰り。赤穂。」


笑顔しながら言う。赤穂はリビングに入り、テーブルには食事が置いていた。


「あ!サーモンいくら丼だ!」


赤穂はサーモンいくら丼が好きなので、うれしい声を出した。咲良は少し笑い声をした。


「その前に手洗い、うがいしてね。」

「うん!」


赤穂はすぐ洗面所に行き、30秒間手を洗い、うがいをし、すぐにテーブルのところに行った。咲良は椅子に座っている。


「いただきます。」

「いただきます。」


二人とも同時に言った。赤穂はサーモンいくら丼を食べると


「おいしい…美味しすぎる。」


赤穂は食べるスピードを速くなっていった。


「喉つまらないでね。」


咲良は笑顔しながら言った。咲良も食べ始める。


「やっぱりこのサーモンいくら丼、おいしいね。」


咲良が言った後、赤穂は「うん」と頷きながら言った。


「赤穂、ごはん粒ついてるよ。」

「姉さんもついてるよ。」


咲良は笑い始め、赤穂も笑い始めた。こんな幸せな日常が続いたらなと赤穂は思っていた。



翌日



朝9時に赤穂が起き始めリビングに行くと、咲良がテレビを見ていた。


「今日早朝、天王寺区で怪物に襲われる事件が発生しました。発生した場所は寺田町駅の構内で起き…」

「……」


咲良は少し心配そうな顔をしていた。赤穂も少し心配しそうな顔になった。


「大丈夫。怪物駆逐隊が守ってくれるから。」

「うん。赤穂も行くとき、気を付けて。」


咲良が言った後、赤穂はうなずいた。外に行く準備をし、数十分後、赤穂は家から出ようとする。


「じゃあ、いってくるね。」


赤穂が言うと、咲良は


「いってらっしゃい。」


と心配しそうな感じで言った。そしてドアを開き、家を出た。数分後、寺田町駅に着き、内回りの電車に乗って約20分後、大阪駅に着く。改札を出ると、ヨドヤバシカメラの方に行く。歩いて数分後、ヨドヤバシカメラに入り、2階のカメラのところに行く。


「どれにしようかな。」


赤穂は悩んでいた。ワンコンの三脚とテンラインの三脚で、どちらに買おうか悩んでいるようだ。ワンコンは日本のメーカーで、三脚は操作性・耐久性に優れた確かな品質が魅力だが、テンラインはイタリアのメーカーで、三脚は軽量・コンパクトでありながら優れた安心感が魅力である。赤穂が悩んでいる時、20代の女性店員がこちらに来ていた。


「お客様、何か悩んでいますね。私が相談しますか?」

「どちらにしようか悩んでいて…」

「そうなんですか。どの商品で悩んでいますか?」


赤穂が商品名を言うと、店員がこう言い始めた。


「私はワンコンにしたほうがいいと思いますよ。日本のメーカーですし、操作性・耐久性もしっかりしてますので。」


赤穂はこれにしますと言うと、店員はありがとうございますと嬉しい表情で言われた。支払いなどして数分後、店員は赤穂が買った商品の紙袋を持ち上げ渡せ、赤穂は紙袋を受け取った。二人ともありがとうございますと言い、礼をした。そして赤穂は大阪駅周辺で散歩して数時間後、夜が暗くなる時間になった。大阪駅の改札を入り、外回りの奈良からやってきた221系の普通天王寺行きに乗った。約20分後、寺田町駅に着き、自転車で帰宅して数分後、家に着いた。部屋に入ろうとするが、玄関のドアが完全に閉まってなく、少し開いた状態であった。赤穂は「えっ」と困惑しながら言い、家に入る。すると赤穂は


「嘘…でしょ…」


赤穂が見たのは、リビングで姉の咲良が横になっている体制になっており、周りには大量の血痕が付いていた。


「姉さん…姉さん!」


赤穂はすぐリビングのところに走り行く。


「姉さん!何があったの!?」


すると赤穂は驚きの目を見る。咲良の腹に深い傷があり、咲良は右手で抑えている。


「姉…さん…」


すると咲良はこう言う。


「か…か……怪物に…襲われた…」


咲良は涙を出しながら言う。


「そんな…」


赤穂は少し涙が出そうになるも、我慢した。咲良は腹の深い傷から血が少し出ていながら言い始める。


「赤穂…」

「姉さん……」

「私は……もう、死ぬ。だけど…赤穂は、生きて……辛くても……生きて……」


赤穂は涙があふれ始める。


「僕は、姉さんがいないと、生きていけないよ。」

「大丈夫。わ、私が…見守って…あげる…から……」


咲良は赤穂の顔を右手で触れ、最後の言葉を言う。





「今まで……ありがとう……赤穂…」





そして咲良は、力がなくなったのか右手が床に落ち、亡くなった。すると赤穂は叫び出した。


「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」


涙が床にポロポロ落ち、顔を両手で隠した。すると、テラスから誰かがリビングの部屋に入る。


「ふふふ…はっははは!」


見知らぬ男性の人が死んでいる咲良にむかって笑った。


「何笑ってるんだよ……」

「笑ってる?知らないのか?俺は怪物だぞ。」



そう。彼は怪物だった。



すると赤穂は怒りの表情になった。


「ふざけるなよ……」


赤穂は立ち上がり、机の下に置いていた木刀を持つ。


「おいおい、戦うのかよ。無理すんなって。お前は弱いからさ。お前の姉、苦しい顔を見て最高だったよ。」


怪物の男性が笑いながら言う。すると赤穂は


「黙れええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


赤穂は怪物の男性に向かって、思いっきり木刀を振った。


「あら、当たってないぞ。」


しかし怪物の男性は避けられていた。しかし赤穂は何度も何度も怪物の男性に向かって木刀を振った。しかし怪物の男性は全て避けていた。そして


「お前はここまでだ。」


怪物の男性は、赤穂に向かって腹を足で蹴った。赤穂は蹴られ、衝撃波で玄関のドアまで大破し、壁に激突した。


「ま…待て……」


苦しそうながらも赤穂は言う。怪物の男性は笑い顔を見せ、赤穂の視界から消えた。そして赤穂は視界から徐々に暗くなり、気絶した。



数時間後



赤穂はゆっくりと目を開ける。視界の周りは病院の室内だった。そう、ここは病院だった。すると看護師からこちらに来ると


「生き返った…生き返った!」


看護師はすぐどこかへ行った。数分後、医師と看護師らがこちらに来て、医師からは命に別状にはないが、2週間ぐらいは休んでほしいと言われた。すると赤穂は何か言う。


「咲良は……」

「すでに死亡が確認された。」


赤穂は下を向いた。それから数時間後、赤穂はスマホを見て、ニュースを見た。すると


「え…なんで…」


ニュースの記事は普通だったが、コメントでは誹謗中傷ばっかりだった。


「なんで俺が悪いんだよ…」


赤穂はスマホを持ちながら布団を被せた。

それから2週間後、赤穂は退院し、自宅に戻った。リビングの部屋でソファーで寝転がり、スマホでツブッターを見た。だがどれ見ても誹謗中傷ばかりだった。


(被害者づりすんな。このカスが)

(姉が救ってない時点でお前終わってんな)

(お前が死ねば良かったねん)


そんなコメントばかりだった。


「もういいや…皆、殺してやる。」


赤穂は外に行く準備をした。そして爆竹や危険な液体、ナイフなどをカバンに入れ、服はパーカーを着て、被せた。そして夜の18時になり、赤穂は家を出た。数十分後、天王寺駅に着き、中央改札口に行った。赤穂は周りの人らを見た。


「木刀で戦うとか論外だろ。」

「2週間前に起こった事件だけど、あの弟怪物の協力者だろ。怪物駆逐隊に通報しようぜ。」


周りから批判的な言葉ばかり言っていた。


(黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ、黙れ)


他の周りの人らを見る。


(自分以外皆死ね。)


赤穂は大きいペットボトルを持ち上げようとするその時だった。


「おい貴様。なにしている。」


壺装束を被ったロリータみたいな軍服の女性が声にかけられた。赤穂は驚いてしまったのか、動けない状態になった。


「まさか、ここで皆殺ししようと思ってないだろうな?」


赤穂は怖かったのか、何も言うことも出来なかった。


「なにか言え。さもないと、ここで公開処刑するぞ。」


この先は悲劇しかないだろうなと赤穂はそう思った。

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