私は学校の制服を着ている。それは秋のお願いが絵のモデルをするときに制服を着ていること、だったからだ。

 普段から私が着ている制服を着て、その私を絵の中に描きたいと秋は言った。(私は問題ないよと答えた)

 白いワイシャツに紺色のスカート。紺の靴下を履いて足元は革靴。すべていつも私が身につけているものだった。

 秋も自分の学校の制服を着ている。本来の仕事着はほかにあるらしい。(見せてもらったこともある。デニムの生地のオーバーオールと白いふわふわの大きめの服で、絵の具でどこも汚れていた。その服はこのアトリエのどこかにしまってあるのだろう)

 白いワイシャツに黒のスカート。黒のタイツに足元は革靴だった。有名なお嬢様学校の制服だった。(秋が制服を着ているのは、私が恥ずかしくないようにと言う理由らしい)

「私とあなたがとてもよく似ているから。まるで鏡を覗き込んだかのように」私の目をまっすぐにみながら秋は言った。

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