恐怖と向き合う事で

一の八

恐怖と向き合うことで

 恐怖と向き合う事で


 そいつは、現れた。

 あっ!

 思わず、そいつに恐れ慄いてる自分がそこにいた


 まるで熊でも対峙しているかのような


 今、こいつに勝てる武器がない

 手元にあるのは、ティッシュくらいか

 これじゃ心許ない



 やつの身のこなしの素早さは、前々から知っていた。

 目を離しては、いけない。

 それは、分かっていた。

 一枚…二枚…

 ティッシュを取っていると

 その一瞬に目を離してしまった


 その隙に姿を見失ってしまった。


 くそっ


 寝る前というのに

 このまま安心して、寝ることも出来ないじゃないか


 ある事を思い出した

 下の部屋にジェットがあるな

 それがあればやつを一網打尽に出来る




 一階に降りると、そこに置いてある強力な武器を手にした。

 それを手にした途端にさっきまで抱いていた恐怖は、どこにいってしまったのか。


 ジェットを噴射した

 シューシュー


 見えない隙間に吹きかけると…

 ジェットの粉子が出てくる


 カサカサ…


 やつは、姿を現した。



 最後の命が尽きるまで、

 自分の生命を全うしようとしていた

 もがき苦しみながら、その最後を終えた


 この命に教えられた


 間違えなく、はじめ対峙した時には、そいつの恐怖を抱いていた



 自分が怖いと感じていたものは、それと対峙した時に戦う術を知らないだけだったのか


 何とも滑稽な



 大きく見えていた存在が戦い方を知っていると思うだけ、あれほどまでに小さくなっていた




「恐怖」というのは、そこから何かを始める事だ!という事を教えてくれているのかもしれない。


 怖いと感じる事が増えていけば、自ずとそこにあるのは、「自信」という形に変えると感じた。

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恐怖と向き合う事で 一の八 @hanbag

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