昔フラれた人がまだ好きな件について
菅沙シナタ
第1話 五年間片思いしている男
俺はと五年間、ある人に片思いしている。中学生1年生の頃からだ。
朝起きると、ふと頭の中に浮かぶ人がいる。だけど、その人は多分自分のこと好きじゃないのだろうと思っている。それはなぜかと言うと、1回フラれているからだ。
そんな好きな人の名前は、青和咲。俺と同じく、奈歩高校2年3組。
ちなみに俺の名前は赤岩ナギ。奈歩高校の2年3組だ。
正直1回フラれると、諦める場合もあるようだが、俺の場合は諦めきれない。
朝学校に行くと、親友が話しかける。
「おはよう!ナギは諦めが悪いよなー。」
そう言ってくるのは斉藤ダイ。俺の小学生からの親友だ。なぜか、ほとんどの確率で、俺の恋の話をしてくる。
「ていうか、いつまでその話するんだよ。」
「え?ナギが告るまで。」
「は?なんで告る時までなんだよ。」
「ナギは青和さんに1回フラれて諦めたと思いきや、まだ諦めてないのがすごいよな。俺だったら、諦めるなー。」
「お前はフラれたことないだろ。フラれた身にもなってみろよ。」
「え?なに、なんの話?」
そう話しかけてくるのは、唯一の女友達の水原莉沙だった。高校の頃に知り合った。
「ナギの恋バナだよ。」
「ナギの恋バナ?まだ告ってないの?あたしだったら、告っているけどね。」
「いや、なかなか告れないんだろ。て言うか1回告ってはいるけど。」
「でも、フラれてるんでしょ。それじゃあ、告ってないのと同じだよね。」
「同じではないだろ。結果がどうあれ、いるのといないのでは違うの。」
「あ、もう時間だ。また後でね。」
気づいたら、時間になっていた。
俺の日常は、普通に授業を受けているつもりだが、1個だけ普通ではないことがある。それは、たまにこっそりと青和のことを見てしまう。本人にわかっているかどうかは正直知らない。そして、1時間目が終わり、
「て言うかさ、最近やっている、「レジェンズファイト」ってゲームがさ、面白いんだよね。」
「へー。ダイはFPSとかやるんだ。」
ダイはあまりFPSはやらずに、パズル系とか、音ゲーとかをよくする。
「そりゃするでしょ。ナギも一緒にやろうよ。IDなに?」
「おう、するする。IDは。。。」
「君たち、なんの話しているの?」
「「ゲームの話だけど。」」
二人被って言った。
「へー。恋バナかと思った。」
「俺たちの話が全部恋バナじゃねーよ。」
「まあ、そっか。て言うか、フラれてるのに、本当に諦め悪いよね。」
「諦めたくない主義でな。」
「て言うかさ、あたしじゃ駄目なの?」
「え?莉沙はかー。別に悪くないんだけど、俺は青和しか見てねんだよ。」
「なるほどね。」
そんな毎日だった。
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