第8話正規ルート脱線開始しました。 4
甲冑ゾンビに先導されながら館の門をロキはくぐり中に入ってみた。
フルボけた洋館を思わせる館の中には照明がなく、先導するゾンビの持つカンテラだけが光源だった。
ゆらゆらと揺れるカンテラの明かりに照らされる館の中は雑然としているが、掃除が行き届いているのか、埃一つ落ちていない。
今は姿が見えないが、メイドでもいるのかもしれない。
館の中は静かで、先導するゾンビの甲冑の軋む音だけが響き渡っている。
「十中八九、先導の先にボスか重要なNPCでもいるっぽいけど」
先導されながら、ロキは現状の自分のステータスなどを、ステータスウィンドを開き、確認する。
死ぬ前に、消費していた。スキルを使うと消費するMPも全快しており、HPも全快。
ボス戦に突入したとしても万全な状態ではあるのだが…。
「普通に考えてボス戦だった場合、始めたばっかりの初心者の俺がソロで倒せそうにないんだけど」
どうしたものか。普通に死にそうである。しかし、この場合どうなるのだろう?
死んだら始まったイベントで死ぬとか…。
そう思っていると、ガチャリという音がして、先導していたゾンビが一つの大きな扉の前で止まっていた。
先ほどした音は、まるで解錠の音のような気がしたが?
もしかして、素直に従っていたが、無視して館の中を物色しようとしても部屋に鍵がかかっていて無理って状態だったのだろうか。
『主人たる女王様がお待ちです』
こちらを振り返り、甲冑ゾンビがそういった。
ロキは意を決して、扉を開け放ち、部屋の中に入った。
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