第11話 ダウリー王国の危機!



「オイ!この6つの王国の小競り合いには、ダウリー王国のザ―イル王の妃ルーナ女王が大きく関与しているらしい?」


「それってどう言う意味?ドラキュラ伯爵……」


「それが……どうも……ダウリー王国のザ―イル王は、長男という事もあり温和で優しい王なのだが、実は…イ○○ア大統領の親戚筋から嫁いで来たルーナ女王が、ザ―イル王を裏で動かし、けしかけているのだ。何といってもイ○○アは血気盛んなお国柄、このルーナ女王はダウリー王国の発展に力を注いだ第一功労者ではあるが、その為に他国との溝が深くなったのだ」


 ★☆

 今まさに戦争が起ころうとしている。

 大統領の住む首都アズィーム王国は国土の80%を有する世界有数の油田大国。だが、資源という物はいつまでもあるものではない。使いきったら何も残らない。それに引き換え次々と斬新な発想力と海外誘致に成功したダウリー王国は発展著しい。


「あの斬新な発想力と発展著しいダウリー王国が妬ましい。何としてもあの王国を我が手に!」


 言うが早いか、アズィーム王国も負けてはいない。改造して育て上げた巨大化させた「ビッグ油すまし」は、油田を水代わりに飲ませ巨大化させて、油すましの1000倍もの威力を発揮する恐ろしい「ビッグ油すまし」に変貌を遂げていた。


 その大きさたるやプラチナの輝きを放つ世界最大の超高層ビル「ブルジュ・ターヒル」の高さ828メートル・160階建ての高さにまで炎が燃え上がり、口から炎を吐き出しながら人々を一瞬で焼き尽くし、食い殺して行く巨大で狂暴な「ビッグ油すまし」に変貌を遂げていた。


 いざという時の防衛の為に、やはり同じ王国の者同士が力を合わせて作り上げなくてはと思い、力を合わせて作り上げた。

 

 だから、巨大化した「ビッグ油すまし」はアズィーム王国の悪い噂話を聞いたり、歯向かえば突然現れ、片っ端から食い散らかし油のたっぷり詰まった体から、勢いよく油を吐き出し炎🔥を上げて、人間たちを焼き付くして行く超恐ろしい妖怪に、変貌を遂げていた。


 こんな妖怪を抱えているアズィーム王国なので、余計に他の王国との開きが出来て一目も二目も置かれ、どの王国も口出し出来ない。


 そして発展著しいダウリー王国だが、発展に力を注ぐ余りに防衛をおざなりにしていた感が否めない。


 だが、実は情報が全くなかったジャミール王国と強力なパイプで結ばれていた。このジャミール王国は秘密裏に最新鋭の兵器を製造する知的な集団王国だった。


 アムン王国はダウリー王国と衝突を繰り返している不安定な王国だが、実は…最近ハヤーリー王国とラーメェ王国が手を結び、憎きダウリー王国に戦いを挑もうとしていると聞き付け、それを見逃す訳にはいかないとアムン王国もその戦いに参戦して来た。

 ハヤーリー王国は妖怪達が支配する王国。ラーメェ王国はマフィアが支配する王国。そして何の取り柄もない只々ダウリー王国に攻め込まれるだけの、冴えない王国と軽んじられているアムン王国だが、実は…秘密裏に着々と巨大軍事基地を築き上げていた。


 ダウリー王国に侵略された恨みは相当なもので、裏でこっそり領土を奪われた恨みを晴らそうとチャンスを狙っていたが、ハヤーリー王国とラーメェ王国がタッグを組んで、ダウリー王国に攻め込むと聞き付け、居ても立ってっても居られなくなったアムン王国も、続けとばかりに参戦の意向を示した。


 一方のラーメェ王国には、犯罪者や死刑囚の他、極貧地帯でやむを得ず奴隷や買春目的で親から売り飛ばされた、破れかぶれになった死ぬ事も恐れない集団や、マフィアがいる。たかが人間と舐めて貰っちゃ困る。そんな連中は半端ないパワーで戦いに挑む。


 死刑囚は刑務所にいれば、いずれは死刑執行された身だったが、こうして命をもらった。一度死んだ命怖い物なんか何もない。だから何だってやる。



 

 そして妖獣村の秘密とは、ハヤーリー王国が妖怪達の王国になった事だが、何と…アーリヤ王女が妖怪王国の女王として君臨していた。 

それはそれは深い森の中にある。

 


 それではアーリヤ王女に執拗に付きまとい、言い寄る男は誰なのか?


 実はマフィアのボスの息子なのだが、既に亡くなっていた。

 ラーメェ王国は犯罪大国。1ヵ月前の深夜車で走行中流れ弾を食らって犯罪集団に殺害されていた。

 

 ★☆

 

『シ-クレット・ソサエティjP』一同が誘拐事件の真相を掴んだ。


「ターヒル王家のアーリヤ王女の情報が見えて来たぞ!どうも……妖怪が不動産王の異名を持つガイヤースグル-プ社長の息子サラーフに化けて連れ出したらしい」


「だからアーリヤ王女は警戒せずに付いて行ってしまったって事ね」


「って事は妖怪達が支配するハヤーリー王国の仕業って事かな?」


「それは無いと思う。誘拐されたのはもう1年半前の事だから、妖怪はひっそりと隠れるように暮らしていたが、人間たちに脅され利用されて仕方なく連れ出したのだと思う」


「じゃあ連れ出したのは誰?」


「実は…やはり妖怪の仕業らしい。だが、人間たちに利用された訳じゃない。どうも…死んだ秘書官があの世で化け猫に生まれ変わった事で、常々アーリヤ王女を頼むと母ガザーラ王女から言われていたので、妖獣村の外れに住んでいたらしいが、生前の紳士風秘書官の姿で連れ出したかったが、死亡した事は王国の全員が知っているので、ガイヤースグル-プ社長の息子サラーフに化けて連れ出した」


「嗚呼……もし誰かに見られていたとしても、サラーフと一緒だったら誰も疑わないと思ってサラーフに化けて連れ出したって事ね!」


 全て白日の下に晒されたが、一難去ってまた一難。

 

 誰もが羨む煌びやかでゴ―ジャスな近未来都市ダウリー王国を、破滅させて奪おうと幾多の兵がダウリー王国を目指している


 ダウリー王国は破滅に向かうのか?

 戦争へのカウントダウンが始まった。

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